「よぉリドル君、久しぶり」
「ああスコッティー、それにルイも、久しぶりだね」
「うん、あのねリドル君、今名前、悩み事があるらしいんだ」
一緒に解決させてあげてくれないかなあ、と言ったルイの言葉に、僕が断る理由なんてどこにもなかった。
「――それで…ルイがその…変装することが、名前の悩み事の解決に…なるのかい?」
「うん、ばっちりね」
――ホグワーツ内のとある庭に来た僕、スコッティー、そしてルイ…なんだけれど今は見た目が完全に別人だ。
レイブンクローの格好に身を包んでいるけれど、こんな顔の奴、居たかどうか。
「それにしても…ポリジュース薬を使わないでよくここまで別人になれるね」
「ルイはメイクっつうか変装とか得意だからな」
「俺、ポリジュース薬嫌なんだよね、美味しくないから。まあ流石に声には魔法をかけたけど」
するとルイはにこっと笑って
「それじゃあスコッティーとリドル君は、ここで様子を見ていてよ」
「おう、上手く悩み、解決させてやれよ」
「もちろん!」
今僕たちが居る木の影から歩いていって、少し開けた場所で止まったルイを見届けてから、スコッティーを見る。
「僕達はここで見ているだけでいいのかい?」
「ああ、リドル君の役目は、もう少し後だからな。――おっ、来た来た」
スコッティーの言葉にルイが居る場所を見ると、不思議そうな顔をしながらルイと向かい合う名前が居て。
「…この手紙で俺を呼んだのって、お前?」
「う、うんそうなんだ…来てくれてありがとう」
「いや、別に……つうか、お前…あー…」
「あっ、僕はレイブンクローのアンドレアス、名字君と同じ学年なんだ」
「…?あー…?…どうも」
明らかに脳内検索をかけて、けれど見つからなかった、なんて反応の名前に、思わず静かにクスリと笑う。
まあ、ルイが変装しているあの男子生徒は架空の人物だから、名前が知らないのも当たり前なんだけど。
「で、どうしたの」
丸められた手紙を片手に、ルイに見せる名前。
ルイはにっこりと笑った。
「僕、君が好きなんだ」
――は?と、僕と名前の声がかぶった。
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