恋い焦がれた太陽 | ナノ
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つうかこいつ、本当に整った顔してるよな…加えて、お得意の猫かぶり。
そりゃ、人気あるよな。


今俺が見てるのは、ホグワーツ始まって以来の秀才、優等生のトム・マールヴォロ・リドル――の、寝顔だ。
――休日の昼下がり、ルイやスコッティー、グレッグと一緒にイタズラやらをして帰って来ると、本を枕元に置いて、ベッドの上で寝ているリドルが居て。

俺はなんとなく…何の気なしに、その寝顔を眺め始めた、というわけ、である。


「キスでもしてくれるかと思ったのに」


するとリドルがいきなり寝起きには到底見えない風に目を開くと、笑顔でそう言ったから、俺は思わず声を上げた。

そんな俺に、リドルが笑う。


「それにしても名前、僕に見惚れてたの?」
「ちっ、ちげぇよ、馬鹿。――つうかお前!前にもあったけど寝たふりすんなよな!」
「まさか名前に、イタズラするなと言われるとはね。まあでも、最初は本当に寝ていたんだよ」


リドルはぐぐっと腕を伸ばすと、仰向けからうつ伏せの体勢になって、ベッドの上で頬杖をつくと、優しい表情で俺を見た。

けど俺は、リドルが体勢を変えることで近づいたことに肩を揺らして、少し離れた。

リドルが途端に不機嫌な顔になる。


「なに名前、どうして離れるの」
「いや、別に…なんとなく」
「そう?それならいいや、一緒に寝ようよ」
「う、ぎゃああああ」


リドルが俺の背中に手を回して引き寄せたから、リドルと一気に近くなって、俺は咄嗟に枕を手に取ってリドルとの顔の間に入れた。


「え…名前、どうしたの。いつもなら――離せ!ふざけんな馬鹿!――とか言うのに」
「い、今の俺の真似かよ!似てねぇ!」
「前に名前がやった僕の物真似も大概だったけどね、それよりこれ、邪魔」


けど枕は簡単に取り払われて――リドルと近距離で視線がかち合う。

リドルもその近さは予想していなかったのか、一瞬、たじろいだ。

そして俺はと言えば


「うぎゃああああ」


また叫んで、リドルの胸を押した。
――リドルに、本当にどうしたのさ、と言われたけど、そんなの俺が聞きたい。


すげぇ、胸が、変だ。






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