――ルイたちから逃げて、ホグワーツ内の隠し部屋へと走って逃げ込む。
例の、兵士の剣が仕掛けの、外へと繋がっている場所。
「ぜえっぜえっ……って、あ?リドル…?」
「 名前、」
俺が勝手に和風に魔法をかけた庭には、リドルが居た。
「ぜえっ、お前、なんで」
「…名前こそ、そんなに疲れてどうしたんだい?…大丈夫?」
「ああ、今、逃げてきて、」
ハアッと息をついて、俺は、地面へと寝ころがった。
少し肌寒い風が、熱い身体を冷やすから気持ちがいい。
「ったく、あいつら…」
「…あいつらって、名前とよく一緒にいる彼らのことかい?」
「ああ、ルイ達がよ、全員、恋人が出来たんだ」
「 へえ、」
リドルが隣に座る。
「アイツら、俺にも恋人つくれってうるさくて」
「……名前は、恋人つくる気、あるの?」
「 恋人とか、つくりたいって思うんじゃねぇからな。好きなやつがいて、恋人になりたいって思うんだろ」
「…うん、そうだね」
欠伸をすると、リドルが
「実はついさっき、告白されたんだ」
「あー…まぁ、お前は人気あるしな」
「――…名前は、どう思う?」
ハァ…?とリドルを見上げれば、真っ直ぐに見つめてくる瞳と、目が合って。
「この僕に、恋人が出来たとしたら、さ」
「――そうだな…――お前に恋人なんか、出来んのか?」
リドルはコント――まではいかないにしろ、中々なリアクションを見せてくれた。
「だってよ、お前、俺は前に言ったからか作り笑いしてねぇけど、他のやつらの前じゃあ変わらねぇから、裏表ありすぎて付き合えねぇだろ」
「…じゃあ、名前となら大丈夫かもね」
「…?あー…まぁ間違いじゃあねぇだろうけどよ」
111016