「む、名前。何処へ行くんだ?」
「ああ、お帰り小太郎、辰馬。…つまり、今日は銀時と晋助で組んだんだね」
「そうぜよー、上手くやってると良いんじゃがなァ」
「――やっぱりお前とは組みたくねえ!」
「それはこっちの台詞だ。バカ白髪」
「んだとォオオ!」
「……奴らは…」
「無理みたいだね」
「無理じゃな」
門の向こうから聞こえてきた銀時と晋助の言い争いに、三人でそっちを見る。
少しして入ってきた二人は私達を見て、
「あ?ヅラ達も今帰りか。名前は?どこか行くのか?」
「ヅラじゃない桂だ。そうだ名前、どこへ行く?」
「ああ、ちょっと遊郭にね」
「「「「遊郭?!」」」」
……びっくりした。
「ゆゆゆ遊郭ってお前、意味分かってんのかよ。団子屋じゃねーんだぞ」
「銀時は何を言っているのかな」
「駄目だ名前!お母さんは許しません!」
「ああ、小太郎の裏声、久しぶりだね」
「…つうか遊郭は男が行くもんだろ」
「男も少しなら働いているんだよ、彼処」
「い、行っちゃいかん!名前!」
「辰馬…、追わないで!」
走り出せば、直ぐに四人に捕まった。
まあ私の前に四人が居たから当たり前だ。
「ふふ、嘘だよ。遊郭に男は働いていないよね」
笑えば、離れていく手。
私は四人に向かって、じゃあ、と手を上げる。
「む、どこかに行くのは本当なのか」
「そうだよ」
「どこに行くんきに」
「だから、遊郭だよ」
「「「「遊郭?!」」」」
いやあ、良いね、四人とも。
「お前、嘘だって…!」
「男が働いているっていうことは、嘘だよ」
「じゃあ何で遊郭に…」
「遊郭で働いているんだよ」
瞬間、ガッと体を抑えられ地面に倒された。
前では晋助が刀を抜いている。
「名前…覚悟は良いかァ?」
「…いや、ちょっと。刀は駄目だと思うよ」
「名前のばかやろー!お前が、お前がそんなふしだらな子だとは思ってなかった!」
「銀時、何キャラかな」
「潔く斬られろ、名前」
「何、遊郭で働くの駄目?」
「駄目に決まっとるじゃろ!」
「ていうか、嘘だよ」
「「「「は」」」」
「ふふ、騙された」
「くっそー!またかよ!」
「名前!あれほど騙すなと…!」
「騙されるのが悪いんだよ、なんてね」
「おい名前。今の状況分かってねえみてえだな」
「え…?」
「名前はわしらに抑えられたままじゃき!」
「…ああ、」
にやりと笑う四人。
迫ってくる手に、私は頭突きを繰り出した。
101128.