微笑む嘘吐き | ナノ
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「…あ、猫だ」
「やめろ名前、お前は近付くな」
「…そんな切羽詰まったように言わないでも」
「名前は動物に好かれねえからな」
「うるさいよ、くるくるぱーさん」
「んだとコノヤロー」

「みゃうっ」
「…何だコイツ」

「…そして一番興味無さそうな奴が好かれるよね」
「若い頃はちょっと遊びたいんぜよ、少し危ない奴に惹かれて火傷して、そして大人になるんじゃき」
「高杉は火傷じゃ済まねェだろ」
「晋助、その子のこと、大事にしてあげてね」
「…さっきから勝手に何言ってやがる」


戦場から母屋に帰る途中、死体が転がる中心地を抜けて少しした時に子猫が草むらから出てきた。
足を止めた私に四人も止まってこれだ。
そして子猫は何故だか晋助の足元にじゃれついている。


「あーあ、何で私は動物になつかれないんだろうね」
「そりゃアレだろ、心の奥に潜んでる邪悪な何かに気付いてんだろ」
「…成る程、本能すごいや」
「待て銀時、それでは高杉が心が真っ白で誠実な奴だということになるぞ」
「おいヅラァ、てめえ喧嘩売ってんのか?動物は全部分かってんだよ」
「で、今日の夜は…」
「ああ、やっぱり金魚すくいだよな」
「名前、銀時、無視してんじゃねェ!」


可笑しな事を言い出した晋助をスルーして歩き出す。
そしてまた歩き出した私達なんだけど、子猫が着いてくる。


「あらまあ」
「駄目だぞ梅、母上を共に探してやるからお前は帰れ」
「梅?」
「私の名前(桂裏声)」


ひょいと子猫を抱き上げた小太郎は子猫の手を動かして得意の裏声を使う。


「だからその肉球を…!」


息を荒くして肉球に目を輝かせる小太郎。

…うん、少し、…何だ、気持ち悪いかもしれないね。

顔をひきつらせると、辰馬が私の目の前にスッと手を出してきて悲しい顔で一言。


「見ちゃいかんき」
「辰馬…」
「目に毒じゃ」


それにノって私も悲しい顔で泣き真似をする。
すると銀時も、何故か晋助を見ながら私の前に辰馬と同じように手を出し悲しい顔をした。


「見るな名前、目に毒だ」
「…?晋助が?」
「ああ、妊娠する」
「しねェよ!」
「しますーお前は存在がセクハラですぅー」
「殺す…!」


ジャキ!と刀に手をかける晋助は、いつも思うけど、もう少しカルシウムを取った方が良いと思う。
少し銀時の苺牛乳を――、



――チリン、
「みゃー」


すると落ち着いた鳴き声と鈴の音が聞こえた。
見てみれば毛並みの良いしなやかな猫が小太郎が抱えている子猫を見上げている。


「…これは、もしかして…」
「母さんじゃなー」
「にしてもまた良い猫って感じだな。飼い猫だろ」
「そうだね、さながらお姫様の大冒険ってところかな」


小太郎が子猫を地に降ろせば、子猫は母猫の方へ駆けて行く。
母猫の周りを飛び跳ねる子猫をじゃれつかせたまま、二匹は去っていった。


「さーわしらも帰るきー!」
「小太郎、肉球触れた?」
「うむ…引っ掻かれたがな!少し触れたぞ!」
「名前、聞いちゃいかんぜよ」
「………………」
「…銀時テメェ俺を見んな」
「見てませんー、目に毒ですゥー」
「ブッ殺す…!」





101104.