微笑む嘘吐き | ナノ
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母屋の大広間のような場所は主に食事の場所で、当番制で用意された食事が机の上に並んでいる。
皆で揃ってイタダキマスなんて事はしない為、各自で食べれば良い。
まあ大体は皆同じ時間に居るんだけど。

銀時、小太郎、晋助、辰馬の四人からたまに送られる視線に気付かないフリをしながら、ほんの数分前、四人から離れた位置に座った自分を褒めてやりたくなった。


小太郎の様子に少し用心していた私は、わざと少し遅れて大広間に来た。
狙い通り、席は大体埋まっていて、私はぽつりぽつりと見える四人から離れて座った。
何時も一緒に食べる訳じゃないから、別段可笑しな行動でもない。

―…でも…、



「「「「…」」」」



人を見る(いや、観察かな)のが下手だ。


ちらりちらり。
飲み物を飲む時に、
鍋に手をつける時に、
若しくは私が少し顔を上げた時とか、

もう少し上手くやれ。
はは、教えてあげようかな。
…まあこの様子だと、小太郎の様子がおかしかったのは私が理由かな…。



――…何を見られたのかな。
ああ…面倒臭い。
何を見られたとしても、何も聞かれたくない。
そんなに視線を送られても、こたえたくない。


寝起きも作用して直ぐにお腹が一杯になった私は立ち上がって大広間を出た。
歩く度に風に揺れる髪が心地良い。


さ、もう一眠りしよ。






101209.