母屋に帰ったら、母屋の門前に数人の天人が倒れていた。
そしてそれを運ぶ仲間達。
数人逃がしてたのか。
まあこれ位の人数なら余裕だよね、四人なら。
下手に母屋が壊れてたりしたら片付けるの面倒臭いから、良かったよ。
人がそこらに居る中を、さも最初から居た、というように歩いていく。
母屋に入った。
「…名前、」
「小太郎、お疲れさま」
「…ああ」
「…?何かあった?」
「……」
「……」
「……」
「…どうしたの?」
「…昨日、帰って来なかったから、心配したぞ」
「ああ、気絶していたみたいでね。起きたら朝だったんだよ。びっくりした」
軽く笑って、小太郎の横を通り過ぎる。
こんな嘘、簡単だ。
…でも、何があったのかは分からないけど小太郎の様子が少し変だ。
その理由が私に関係無いなら良いけど、もし有るなら長居は無用。
下手に何かを探られても、まあ往なす自信はあるけど、その状態を避けれるならそうする。
でも、どうして正直に言わない?
なんで嘘をつく?
「―――疲れた」
部屋に着いて、床に腕を枕にして寝転がって呟く。
目を閉じた暗闇の中で、何も考えずに、いよう。
101209.