「よろしくお願いします、ゼツさん」
「オ前ガ俺達ノトコロニ来ル必要ハナイダロ…」
「まあ良いじゃない、新入りとの交友を深めようよ」
――ゼツさんの身体は綺麗に真ん中で色が分かれていて、片方が黒くて、もう片方が白い。
そしてどうやらそれぞれが、いち個体として存在しているみたいだ。
「けれど本当にゼツさんは素晴らしいですね…!究極の…、?完全体?というか」
「…何ヲ言ッテルンダ、オ前ハ」
「わあ、僕らそんなこと初めて言われたよ」
黒いゼツさんは少し辛辣で、白いゼツさんは少し子供っぽいというか、無邪気。
いや本当に素晴らしいよ。
ひとりで、と言っていいのかは分からないけれど……飴と鞭を使いこなす究極な人物――ゼツさん、君に決めた!
「名前、もうどのコンビのところも回ったの?」
「はい。――それにしても、コンビで動くという決まりはとても素敵ですよね」
「どこの里も基本は、スリーマンセルだもんね」
「暁ノヨウニ、皆ガ皆強クナイカラナ、三人ジャナイト任務ガコナセナイノサ」
黒ゼツさんの言葉が合ってるかどうかは置いておくとしても――木の葉にいた時は、スリーマンセルの危うさに時たまハラハラしていたものだ。
――三角関係…。
素晴らしくも危うい人数だよ、本当。
「最初はどいつらのコンビだったの?」
「サソリさんとデイダラさんです」
「ああ、芸術コンビか」
「…!ゼツさん、素敵な名前をつけますね…!」
「え?そう?あはは、これも初めて言われたよ、やったあ嬉しいなあ」
「…フン、下ラナイナ」
すると白いゼツさんは笑顔のまま、手振りで説明する。
「飛段と角都は……そうだなあ、ゾンビコンビとかは?」
「こ、これもまた的確ですね、ゼツさん…!」
「ナラ、イタチ、鬼鮫ハ動物コンビダ…」
「おお…!またもや的確ですよ、ゼツさん!」
白いゼツさんは私を見て首を傾げると、
「名前は?それぞれのコンビの特徴とか、気づいたことある?」
「――そうですね……イタチさんと鬼鮫さんは違うかもしれませんが、よく喧嘩をするコンビが多いな、って」
「ああ、納得」
ナルトとサスケもよく喧嘩(…というか一方的に)していたけれど、サクラも一緒に居たからな。
「私、それが結構初めて見る光景だったんです」
喧嘩っぷる…――本当、暁は未知の世界だ。
110930