舞台上の観客 | ナノ
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「名前お姉ちゃん!」
「ん?何かなイナリ君」
「僕…名前お姉ちゃん達に会えたから、これからも頑張っていけるよ!ありがとう!」


――そんな言葉をついさっきイナリ君に貰って、そして私達第七班は木の葉の里へと戻る為に、完成した橋を渡っている。


「早く帰ってイルカ先生に任務終了祝いのラーメン奢ってもらおーっと!それにさ、それにさ、木ノ葉丸にも俺の武勇伝聞かせてやろー!」
「じゃ、私は…ねえ、サスケ君!里に帰ったらデートしない?」
「いや、断る」
「そ…そんなあ…」
「あのさ、あのさ、…俺ってばいいよ!」
「うるさい!黙れナルト!」


くすくす、三人のやり取りを後ろから眺めて笑う。
この三人のパターンはまだあまり変わらないようだ。


サスケがサクラのデートの誘いを受けるとか、サクラがナルトを受け入れるとか。
そういう変化が訪れるのが楽しみなんだよなー…。

サクラとサスケのデートは…そうだな、サクラが頑張って色々考えるんだけれど、どれも上手くいかない。
落ち込むサクラにサスケがただ一言、声をかける。
勿論ツンデレで、だ。

ナルトとサクラのデートは………………………い、一楽のラーメンとか、かな…?
あまり想像がつかない…けれど結局楽しいデートになりそうだね。


緩みそうになる口元を隠す為に海の方を向いた。

――今日はよく晴れている。
果てが見えない大海原が、太陽の光を白く波に現して、きらきらと眩しく輝く。

深く深く息を吸い込めば、微かに潮の匂いがする。
体中に行き渡るように息をして目を細める。
手を後ろで組んだ。


「名前」
「…?何ですか…?」
「名前は帰ったら、何がしたい?」
「…じゃあ、イチャパラを」
「駄目」


くっ…!
私は諦めない…!
この生命あるかぎり…!

なあんてね。





110427.