舞台上の観客 | ナノ
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「…サスケガ少シ危ナイナ」


五影会談が行われる場所――中立国である鉄の国を、少し離れた場所から眺めていた。

――マダラさんはさっき、少し用がある、と言って時空間忍術で消えてしまい。

そうして今、ゼツさんが言った言葉に私は眉を寄せた。


「どうしたんですか?」
「雷影トノ戦闘二入ッタ。…トビハ、アワヨクバ影ヲ一人デモ手中二出来レバト言ッテイタガ…流石ハ影。逆二鷹ガヤラレソウダ」
「分かりました、私も中に入ります」


雪の上に座っていた私は立ち上がると、一度目を閉じる。
そうして、ゼツさんしかいないからと普通の状態だった瞳を、時空眼に変えた。


「今ノ状態ノオ前ヲ戦線二立タセタトナレバ…後デトビニ叱ラレルナ」


マダラさんに、叱られる?
マダラさんの目的も、ダンゾウの捕獲というか…つまりそれなら、鷹が危険な今、私も鉄の国に入って鷹をサポートし、サスケがダンゾウの元に万全の状態で行けるようにした方が良いんじゃあ…。


「えっとそれに…今の状態の私、ですか?」
「アア…イツ倒レテモ可笑シクナイ」


ハッ!
そ、そうか!
今の、いつ倒れても可笑しくない私ごときを鷹のサポートに向かわせて、かえって足手まといになるやもしれない、と…それは確かに、さすがのマダラさんにも叱られる、かもしれないのか…。
いやでも、鷹が危険な状態なわけだし…!


「大丈夫ですよ、そんなに簡単に倒れません!頑張ってサポートしてきます!」
「…頑張ラナクテイイカラ、チャント帰ッテコイ。怒ッタアイツハ厄介ダカラナ」












「――サスケ、お前は俺と似ている」


――鉄の国内…雷影の義雷沈怒雷斧とサスケの間に砂を飛び出させた我愛羅は、サスケにそう言った。
少し後ろでは雷影が、天照に蝕まれた左腕を自分で切り落としていた。


「この世の闇を歩いてきた者…だからこそ、小さな光明ですら目に届くはずだ、昔も、そして今も」


サスケは、血に濡れた左瞼を下ろしながら我愛羅を見て、片方だけ口角を上げた。


「俺はとっくに目を閉じた。俺の目的は、闇の中にしかない」


カンクロウが、隣に立つ我愛羅を横目で見る。


「私情を挟むな我愛羅、お前は風影だぞ」
「…ああ」


すると我愛羅の目から、涙が一筋、流れた。


「分かっている」


砂が、瓢箪から飛び出す。
サスケが、左目を開ける。
けれどその時、場所中の者が気配を感じて、上を向いた。

天井から降りて来たのは、暁の衣を纏った、琥珀色の髪の者――名前が、地面に着地すると同時に、着地点は大きく凹む。
辺りには少しの瓦礫が飛び、周りの者には大きな圧力がかけられた。


「その眼は使っちゃ駄目だよ、サスケ」





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