「アスマを仮死状態にした理由はなんなのか、そして、アスマを死んだことにしておけという言葉を、考えた」
――そして、現在(いま)。
五代目が腕を組んで、私を見る。
「アスマが死んだとしたならば、絶対にこいつら、アスマ班のやつらは、仇をうちに行く。 そうして、アスマ無しで向かって行ったこいつらを返り討ちにしようとしてるのか、とも考えたさ」
「……」
「だが、それではわざわざアスマを仮死状態にさせた意味が無い。――シカマル達の返り討ちが目的なら、アスマが本当に死んでいても、変わりはないからな」
私は静かに、五代目を見る。
「なら、どうしてか。――暁側が死に、木の葉側が生き残った今、こうしてそのことが過去になってようやく、確信を持って言える」
そして、思わず眉を寄せた。
私がどうしてこの一連のことをしたかなんて、分かるわけが、ない筈だから。
「それは、アスマが死んだと前提した上でのこいつらと、暁との戦いが、木の葉にとって最もいい未来だと、お前がその眼で視たからだろう」
「――――!」
思わず目を、見開いた。
「左眼は過去を視、過去に関わる時空間を操り、右眼は未来を視、未来に関する時空間を操る……そうして両の白緑が見えた時は現在の時空を支配する」
夜の闇の中で静かに光る、五代目の瞳の奥に。
琥珀色の自分の瞳が、うつった。
「その、時空眼でな」
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