「――下手な嘘はやめろ、大蛇丸」
「こらこら、大蛇丸さまに向かって、またそんな口のききかたを。…それに――」
カブトの眼鏡が光る。
嫌な笑い方を、しやがった。
「今の大蛇丸さまの言葉、嘘じゃないよ。サスケくん」
「――――――」
俺は、ナルトとサクラを見下ろして、――そして、それが真実だということが分かった。
「行くわよ、サスケ君」
「…!待て…!!」
そうして俺達は、その場から消え去った。
「サスケェ…!!」
声になんて、応えずに。
――別のアジトへと着き、俺は、大蛇丸の胸元の服ををつかみあげ壁に押しつけた。
「サスケくん!」
「フフ、いいのよカブト…。それで、いったいどうしたのかしら?サスケ君」
「しらばっくれてんじゃねぇよ…どうしてさっきの情報を俺に言わなかった」
大蛇丸が笑う。
「あら、だって……聞かなかったもの」
「…!ふざけるな…!」
俺はそのまま大蛇丸から荒く手を離すと、自分の部屋へと向かい、歩き出した。
聞かなかっただと…!
大蛇丸のやつ、ふざけやがって…!
いつもは、要らないと言っても、イタチ以外の、暁全体の情報を教えてきてやがったくせに…。
部屋につくと、俺はそのまま立ち尽くした。
「火影様が私を木の葉の里に置いてくれたから、私はみんなに出逢えた。こうして誰かの為に何かしたいと思えるような人達に、出逢えたんだ」
…アイツが、木の葉を抜け…しかも、暁に入っただと…?
暁は、S級犯罪者らで組織されたもの…。
ぎりっ、歯を食いしばる。
犯罪者……イタチもだ…!
なんで、名前が……。
「 クソッ…!!」
アジトの壁を力のかぎり、殴った。
111010