「ブッ、ハハ…!なぁおい木の葉のやつら、今ので分かったかよ?うん。――名前は、お前らのことなんてもう、微塵も考えちゃいねえ」
「というか、コイツらの方がおかしいだろ……いくら元同じ班だからといって、抜け忍にこう言うか…?流石、木の葉の里はあめぇな…」
するとデイダラさんが、右の手のひらの口から、粘土を吐きだした。
軽くこねられてから再び現れたそれは、デイダラさんがよく創る鳥の形になっていて。
「行くぜ、名前」
一尾捕獲の時と同じくらいの大きさになった鳥は、我愛羅を口の中に入れた。
デイダラさんがその鳥のうえに飛び乗って、私を見る。
「これから尾獣を狩る時は、なるべく名前を同行させろ。特に尾獣化する可能性を耳にする一尾、二尾、八尾、九尾、…まあチャクラが減り弱ってきたら、ほとんどだな」
「一尾は尾獣化しなかったが、九尾のこいつは、なにせついさっきも、尾獣化しかけたしな。今度は、手を借りるかもしれねぇ、うん」
「 分かりました」
「それに、風影もそうだが何より名前、お前を追ってくるだろうからよ」
「いまだって…!同じ班の、仲間じゃねぇか…!!」
「そうよ!私達、名前が里を抜けたって分かったあの日から、ずっとずっと、捜してた…!ずっと、想ってた…!だから絶対、今ここで、木の葉に連れて帰るわ!名前!」
「…それは……」
ありませんよ、と……そう言おうとしたけれど……ついさっきのナルトとサクラの言葉が思い出されて、言葉には、出来なかった。
「 そういえば、」
九尾の捕獲はサソリさんが…とサソリさんを見れば、ヒルコが首だけで、行け、とデイダラさんの方に示す。
「――サソリさん」
「あ……?」
「、…っ、……、」
ぎゅう…!と、一人、長い袖の中で手を握りしめる。
そうしてにっこりと笑った。
「気をつけて下さい」
振り切るように地を蹴って、鳥の上に乗る。
「名前…!!」
「ハハ、ちゃんと着いてこいよ、九尾の人柱力」
デイダラさんは愉しそうに言い、そうして鳥は、洞窟の中から飛び立った。
111006