優しい世界で生きなさい | ナノ
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――火曜日。
昼に名前は学園を出て、裏の山を三つほど越えた場所を目指して、歩きだした。

天女様は笑顔で、任務を行うメンバーへと言う。


「えへ、ごめんね!昨日は嘘ついちゃったの。本当は私の誕生日、明日なんだ」
「だって本当のことを言ったら、流石に名前くんは、承諾してくれなかったわ」
「ねえ、みんな。明日、わたしの誕生日は一緒にいてくれないかなあ?それで木曜日になってから出発すれば、金曜日の朝には間に合わない?なにも金曜日になる瞬間に着かなきゃいけないわけじゃあないんでしょ?」


「――ああ、間に合うよ」


――火曜日、先発隊が学園を出発する予定だった日。
けれど結局は、名字名前一人が学園を出た。














「愛さん、お誕生日おめでとう!!」


――今日は水曜日、任務につくすべての者が、学園を出発する予定――だった日。


「ありがとう、みんな!」


けれど結局は名字名前一人しか、場所には着いていない。


ズレて、ズレて、噛み合わなくなった歯車は――。





111012