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玄関を開けるとなまえが笑顔で出迎えてきた。疲れていたからなまえに向かって無言でコートを投げ付ける。なまえは気にしたふうでもなくコートを傍にあるハンガーに掛け、ボクに笑顔を向けた。なまえの笑顔を数秒見下ろし、靴を脱いでリビングに向かった。なまえが後をついてくる。
テーブルの上には冷めたオムライスとサラダと水がある。高性能の電子レンジはあれどなまえに温めるという選択肢はない。仕方なく冷めた食事に手を付ける。卵の殻が入っていて、ケチャップライスも具材が不揃いで味が薄い。相変わらず食えないほどではないにしろ不味い。サラダもトマトが潰れたまま盛り付けられている。なまえはにこにこと遠くでボクが食べ終わるのを見ている。その笑顔を見ながら一気に水を呷った。よく見ればなまえが着ている白のネグリジェに油染みがある。料理を作る時にでも汚したのだろう。なまえは油染みに気付いていないだろうし、服を着替えることもできない。またボクが染み抜きをすることになる。
食べ終わるとなまえは食器を流しに持って行った。ボクはスーツを脱いでベットに横になり、ネクタイを緩めながらテレビを点けた。なまえは洗い物の一つでも気が遠くなるほど遅い。しばらくニュースに目を通しているとなまえが隣に座ってきた。

「なまえ、下着を見せろ」

なまえは膝立ちになると、言われた通りにネグリジェの裾を上げた。もうなまえに羞恥心というようなものはどこにもない。股間周辺を覆う金属製の無骨なデザインの代物が露わになる。T字型のもので頼りなく見えるかも知れないが、案外そうでもない。チェーンに通して首に掛けている鍵を取り出す。なまえにただの下着を履くことを許してはいない。そう、貞操帯だ。鍵を開けて外してやると内側にある小型のディルドから糸を引き、なまえの身体がぴくりと反応した。触れようとしたところで爪が長いことに気付く。舌打ちをしてベットサイドの爪切りに手を伸ばした。なまえはしばらく大人しく待っていたが、待ち切れないのか股座に寝転んできてボクを見つめながら舌を伸ばした。誰のせいで爪を切るんだ。気が散る。鬱陶しく思い、二の腕を爪切りで強く挟んでやればなまえは「きゃうっ」と犬のように鳴いて飛び退いた。涙を溜めながら傷口周辺を痛そうになぞり、ボクを睨み付けた。途端に嗜虐心が顔を出す。
なまえはもう普通の人間だ。傷付けばそれ相応の時間が掛かる。現に臍周りの根性焼きの痕がまだ残っている。その時も痛そうに叫んでいたが、すぐに何事もなかったかのようにけろっとした顔をした。なにもかも覚えていられないのだ。もう肩の傷のことを忘れて、ベッドシーツに潜って遊んでいる。
腕の立つハンターだったなまえに一体なにがあったのか。それはボクにもわからない。保護した時にはすでにこのようになっていた。あれからもうどれくらい経つだろう。

「おいで、なまえ。謝ってあげます」

爪を切り終わったのでなまえに向かって両手を広げた。近づいてきたなまえを抱きしめる。そのままネグリジェを脱がせてやると二の腕に舌を這わせた。血の味がする。なまえは意味もなく嬉しそうに笑った。ボクが傷付けたことももう忘れているだろう。なまえはそのままボクを押し倒すとスラックスを脱がし、陰茎を取り出した。いい加減うるさいのでテレビの電源を消す。
なまえは小さな口を開くと陰茎の先端の方をストローのようにちゅうちゅうと吸った。舌先で刺激するのも忘れず、柔らかな唇の内側が何度も当たって、陰茎に血潮が集まるのを感じた。男の扱い方をよく覚えている。まあ尤も、覚えるまで教え込んだのはボクなんですけど。邪魔に思ったのか髪を耳に掛け、くぐもった声を上げながら少しずつ陰茎を飲み込んでいった。頬の裏や上顎が竿全体を擦り、根元まで咥えると唇を絞めて頭を引いた。喉を半分塞ぎながら涙を溢れさせ、口呼吸もできないので鼻息が荒くなっている。それでも唇を窄めながら奉仕するのだから素直に健気で可愛いなと思う。髪に指を通すと絹のような手触りが指の間を追いかける。ついでに親指で涙を拭ってやった。

「でもちょっと物足りないかなァ」

頭を掴み、乱暴に引き寄せるとなまえの喉奥から一際大きい声が出た。唇の端が吊り上がってしまう。顰めっ面にさせながら恥毛にキスをさせる。手の中で頭がぶるぶると震えている。呼吸もままならないだろう。張り付いた頬、突き出した唇の歪んだ表情にうっすら征服欲が満たされる。

「可愛いですよ、なまえ」

それどころじゃないなまえに声を掛ける。ボクを睨み付けているが、顎にまで垂れている唾液でなんとも迫力がない。それに「ふーっふーっ」となまえが呼吸するたびに喉が張り付いてきて結構気持ちいい。絶景なのでこのままでもいいかと思い始めてきた時、なまえが大きく呼吸し、じゅるじゅるっと激しく音を立てて頭を引いた。一瞬暴発しそうになる。油断していた。

「……っ、なんだ。結構余裕だったんですね。じゃあ、遠慮なく」

頭を掴んで腰を打ち付けると、亀頭にごりっと抉ったような刺激が走った。なまえがくぐもった叫び声を上げた。息を吸い込もうとしてるので鼻をつまんでやる。なまえは驚いたように目を見開き、首を横に振った。聞いてやらない。
呼吸もできないのに何度も喉奥を突かれ、酸素を奪われていることになまえは半狂乱になり、さっきまでの奉仕が疎かになっている。そんなことよりもボクを早めにイかせた方がいいと思うけどなあ。でもその表情は割と抜ける。
可哀想だからさっさと喉奥に向かって思いきり射精する。鼻を解放すると咽せてうっかり噛んできそうなので、しばらくこのまま。尿道から迫り上がる感覚とマーキングした心地に背筋が震える。
余韻に浸っているとあ、死ぬかもと思ってなまえを見るとなんともまあ健気にボクの精液をこくこくと嚥下していた。おそらく苦しさから解放されたい一心だろうが、教えたことをちゃんと出来るのはいい子だ。腰を引いて鼻を解放すると、なまえはすぐさま口に手を当てながら咳き込んだ。揺れる髪と丸まった背にまたペニスに血潮が集まる。
足を持ち上げて引き寄せる。とろとろと溢れ出した愛液は尻にまで伝っていて、準備万端ってくらい濡れている。貞操帯のディルドのおかげ。まあ、フェラした時に濡れるよう開発もしたんですけどねー。
掠れた息で「ひゅうひゅう」と呼吸するなまえの顔の赤みも消えつつあり、段々と落ち着いてきたようだ。口の端には飛び出たボクの精液が付着している。なまえは唇の端を子猫のようにぺろりと舐めた。

「あ、ぁ、あ"ぁ"っ……!」

なまえの中を強引にこじ開けていくと身体は弓形に反り、ぴんと舌を伸ばした。口の中も苛めてやりたくなったけどとりあえず奥の方まで挿入すると膣がうねりながら強く締め付けてきた。追い出そうとするかのような動きを無視して、何度も乱暴に突き上げた。

「ひ、ぁっ……!う、う"、ん…!ひゃ、あぁっ……!」

パパイヤのような胸が揺れる。適当に掴んでやれば甘い声を洩らしながら切れ切れの息を吐く。じわじわと奥から溢れてくる愛液と混ざる膣の感触が気持ちいい。なまえの顔はもう蕩けきっていて、快楽に溺れているように見える。だがどうせ、なまえの気分は空っぽだろう。

「……可愛いよ、なまえ」

呟くように言い、青白い首に触れた。なまえはなにもわからない。
首を絞めると、その柔い肌が吸い付いてきた。ペニスがさっきの比ではないくらい強く締め上げられる。なまえは溢れそうなほど目を見開き、酸素を求めて口をはくはくと痙攣させる。それなのに搾り取ろうとするような不規則な膣のうねりに内心ほくそ笑む。正直動かなくてもイけそうだ。なまえもただの女だったんだなと思う機会が増えた。可愛くて仕方がないから、より一層強く絞めると膣は跳ねるように凝縮した。一段と狭くなった奥に無理矢理押し込むと先端が吸われる感触があった。子宮口か。

「おっ……!お"、ぐ、がはっ……!あっ…!ぁっ、あ、あっ……!!」

苦しそうな声が聞こえる。善がる声が聞こえる。なまえの両手が首を絞めるボクの手に触れる。やめてのつもりだろうか。やめないでのつもりだろうか。汗で張りついた前髪。虚ろな眼で、焦点も合わないままで、泥のようなその目。途端に前回なまえにつけられた背中の引っ掻き傷が疼いた。
腰をぐりっと回して突き刺して、精液を欲しがる子宮にプレゼントする。がくんっと落ちるようになまえは身体を痙攣させ、そのままボクも射精した。二回も出すと頭が冷静になっていくのを感じた。年齢のせいだろうか?まあまだまだ若いつもりだ。腰を引くと精液がどぷりと溢れ出した。まだ全然現役だった。
普段の幼女のような雰囲気を失い、すっかり大人しくなったなまえを置いて冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを取り出した。一口飲んでからなまえに口移しで与えてやる。なまえの唇は熱く、その頬も上気したように赤かった。

「あと二、三年くらいがなまえの死に時だと思うんですよ。どう思います?」
「?」

口の端から水を零している。まるで子どもだ。そんなことよりもっと水が欲しいとでも言いたげに口を開けた。

「……死ねばいいのに」

ペットボトルをなまえの口に突っ込むと乳飲児のように吸い付いた。やがて満足したのか口を離すとぼたぼたと水が身体に降り掛かったが、気にもせずにそのまま横になった。膣からは精液が溢れている。

「……まーセンチメンタルな気持ちは置いといて!お風呂でも溜めますか」

なまえを抱きかかえると嬉しかったのかにこにこと笑った。なまえの膣内の精液を掻き出すのもボクの役目だ。
浴室に向かうと、明日が休みなことを思い出した。

「あ、そうだ。明日は久しぶりの休日だけどどうします?あーでもなまえは一応消息不明のハンターってことになってるからなァ……」

XXX、純情が嘲笑ってる 210331

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