00

落ちてきた

何がって?それは私が聞きたい。

小さなローテーブルで晩御飯であるコンビニのデカ盛りスパゲティナポリタンをズゾゾゾとお行儀悪く啜っていた時。一人暮らしで咎める人もいない。気持ちよく蕎麦を食べるが如くズゾゾゾ…と。
とその時



ドサッ

『んぅ?』


目の前に落ちてきた。

それは壁にピンでぶっさしてた新聞屋からもらったカレンダーでもなければ、カラーボックスの天板に並べた100均で買ったミラーとか化粧水の類ではない。
重たくて物量があり、人間みたく大きい。しかも人間みたいにお洋服着てる。「あいててて」とか喋った。あれ?日本語ジャマイカ、違った日本語じゃないか。

それは首を振り様私の部屋をぐるり見回し、ようやく私とパチリと目があった。おおイケメン!
お互いパチパチと(私の場合はあまりの麗しいお顔に見とれていただけ)まばたき…

したら消えた。あれ?さっきのどこいった?
私の幻覚?あんなにはっきりイケメンが見えるぐらい欲求不満?いやいや。確かに男から離れて久しいがそんな。飢えてない飢えてないから。


「あんた、何者?」

首筋にチクって何だ。何か痛い。しかも耳元で低音ボイスとか何のプレイよ。SMプレイですか。私痛いの嫌いなのでそんな趣味はございません。


「ねぇ、何度も言わすなよ。あんた、何者?」


そのセリフ、そっくりそのまま返してやんよ!


天井から忍びが降ってきた!

[*prev] [next#]

[ 戻る ]