Title:スイパラコスに焚き付けられた妄想3
27th December,2019 Fri 08:43
お名前固定→桔梗

桔梗さんサイド

「おっ前さぁ、あんなののどこがいいの?」
「……可愛いと思うけど?」

珈琲を啜る後藤が胡論気に桔梗を見る。桔梗の前には白いプレートに色とりどりのケーキが乗っていて目にも鮮やか。後藤もそれだけなら美味しそうだなと思うけど、テーブルいっぱいにあれば顔も顰まると言うもの。
桔梗の甘いもの好きは友人の中では割りと有名で、自分でも色々作ってみんなに配ってくれる。それは男性にも例外無く後藤もおこぼれに預かる一人だ。だって桔梗の作るお菓子、男性向けにはちゃんと糖分控えてくれたりして正直うまい。そんな桔梗に友人達はお返しにと桔梗の頼み事を快く請け負ってくれる。

「だけどよ、流石にこれはねーよ。何で相手俺なの?女友達連れて来いよ」
「仕方ないでしょ、あの子、女の子見たらデレデレするから同性はやだったの」
「…お前、見る目ないんじゃね?どこがいいのよ、あんなのの」
「あんなのとか云わないでよ、後っさん」
「おっさんみたいだから、その呼び方やめろや」

だって、あの子、お菓子みたいじゃない?

「はあ?」と呆れた声で返す後藤を他所に桔梗は善逸に視線をやると三色団子を咥えた?可愛い女の子と何やら話している。へにょりと下がる特徴的な眉毛とふわふわの金髪は糸飴みたいだし瞳の琥珀は蜂蜜を閉じ込めたキャンディ。まだ幼さの抜けないほっぺはマシュマロの様で触りたくなる。そんな可愛い顔してるのにカラダ締まってそうで黒の制服がやたら似合う。ベストの下、腰で結ばれたエプロンの細さってどうよ。

「桔梗さ、俺、お前の性癖が心配」
「人選に間違いない、こんなことはなせるの後っさんだけ」
「俺の心の平安のため、もういっそくっ付け」
「別にあの子とどうのって、つもりはないよ」
「……年上ってこと気にしてんの?」
「それもあるけど、あの子には年相応な女の子が似合いそう。ほら、あの髪長い子とか、」
「そうかねえ」

後藤はコーヒーの入ったカップを口に添えながら善逸を様子見していたが、あちらもちらちらとこちらを見ている事には気づいていた。それに気づかない桔梗は鈍いのか、はたまた目の前のデザートに重きを置いているのか。絶対、あいつお前の事気にしてるぞと言いたいけど、他人のあれやこれやは第三者が口出したところでめんどくさくなるだけだ。

「しっかし、良く食うね。」
「後っさんも食べる?美味しいよ。それにさっきからコーヒーしか飲んでないじゃない」
「桔梗の見てるだけで腹膨れるわ」
「これは?モンブラン、見かけによらず甘くないし」

無意識だろうスプーンにピンク色のケーキを乗せて差し出す桔梗。お前マジ勘弁しろよ、と頭を抱えた瞬間

「あ"ーーーーーー!!?」

汚い高音が店内に響き渡り発声源は後藤と桔梗の先輩である宇髄により床に沈められていた。


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後っさん→隠の後藤さんです。
ショタっぽくて、人間をお菓子に例える桔梗さんが少し心配。甘いものは好きでも無く嫌いでも無い。割りと観察力に優れていたため、知らなくてもいい桔梗さんの性癖を知ってしまった残念な人。実は高校の時からの同級生だったりする。