Title:スイパラコスに焚き付けられた妄想2
24th December,2019 Tue 07:18
俺は今地獄にいる。右を見ても女の子、左を見ても女の子。前も後ろも女の子なのに、壁際の奥から二番目に座る二人を視界に入れる度にどん底に落ちていく。

「……善逸さん大丈夫?気分悪いの?」
「禰豆子ちゃん…」

天使が俺を気遣ってくれてる、いつもの俺ならとんでもない僥倖に舞い上がるだろう。「ごめんね、大丈夫」なんて返したけどなのに、全く大丈夫じゃない。誰よあの男桔梗さん彼氏居ないんじゃなかったっけ?
いや、直接聞いた訳じゃないし、そもそもそんな親しくなかったわ俺。いわゆる一目惚れ、一方的な恋心。それ、いつもだよねとか言わんでいいからね。確かにいつも女の子見たらへらへらする俺だけどさ、桔梗さんは違うんだよ。

「我妻少年!どうしたんだ!?そんな辛気くさい顔は接客業ではするものじゃないぞ!何か悩みが有るなら相談に乗ろう!」
「れ、煉獄さん、」

頼れる兄貴みたいな煉獄さん、このメンバーの中で割りとまともな人だと思う。仕事に支障をきたすような事は駄目だと注意を受けるだろうな、と思いつつ実は、と相談する俺はかなり動揺してるんだ。

「わかった!なら俺が聞いてきてやろう!」
「え。ちょっと待って!何を?誰に何を聞きに行くんですか!?」
「あそこの彼女に我妻少年を恋人にどうかと聞けばいいのだろう!?」
「なんか色々飛び過ぎだよ!誰だよ煉獄さんまともって言った奴!俺だったわ!全然まともじゃねぇよ!あ、待って!やめてくださいマジで!!」
「む?しかし早くスッキリしたいだろう!?」
「いきなり俺の人生詰んじゃうんで!」

早々に解決しようとする煉獄さんは極端すぎやしませんか?だってどう考えても望みないじゃない?

「さっきからウジウジウジウジと鬱陶しい。仕事しないガキなぞ、ただの役立たず、足手まとい。とっととと帰れ。」
「じゃあ伊黒さんは甘露寺さんが男の人と二人でスイパラ来ても何とも思わないんですか?」

俺は知ってんだぞ(むしろ二人以外はみんな知ってる)伊黒さんと甘露寺さん、めっちゃ仲いいけど別に付き合ってないって。恐らくは両片思いだけどなかなか進展しないのは伊黒さんが告白しないせいだって。

「………俺の甘露寺はそんな事しない」
「目ぇ逸らせながら言っても説得力ないですから!」

俺のって言ったけどまだだよね!付き合ってないってみんな知っ(二回目)

「しかし我妻少年!こうやって居ても何も進まない!やはりここはきっぱり解決するに限る!」
「解決が終了のお知らせなんだってあなたの提案はよぉおお!!」


終わらない