もしもし
2011/07/16 11:09
「もっしもし」
「よう、久しぶりじゃん」
「バイトやら試験やらで忙しくてねー。なに、さみしかった?」
「全然」
「うそうそ。毎晩まくら濡らして泣いてたくせにー」
「はいはいそうですねー」
「流しやがって」
「めんどくせーもん」
「ひどいひどいー!」
「うるせー」
「あっ!あのね!」
「うお、いきなり大声だすなよ!」
「あは、ごめん。でね、3丁目のおばちゃん分かる?あのパーマがきつい」
「ああ、大仏みたいな」
「そそ、その大仏おばちゃん犬飼ってて、その子がこの間出産したんだよドーンてさ!」
「ドーンて出産したのか」
「んでね、その子犬1匹もらったの!」
「え、おお!まじで!良かったじゃん、昔から欲しがってたもんなあ」
「もう、ちょーかわいいのー!」
「なに犬よ」
「しば!」
「へえー、名前は?」
「しば!」
「可哀想だな」
「なにが?」
「いや、別に。写メ送れよ、写メ!」
「いいよーあとで送ってあげる」
「今回はすんなりだな」
「まーねおおうおおおおわわ」
「あ?なにって?」
「しばが!しばがじゃれてきわははくすぐったあはあひひひ!」
「しばがこのバカ飼い主に似ませんように」
「なっなんだとうひひひひ、しば、しばったらくすぐったいってあはひひあっこら!服噛んじゃだめっていうわあああ!」
「うっせえな」
「しばがジュースこぼしたあああ」
「俺が会いにいくまでにちゃんとしつけとけよ」
「自信ないわあ」
「がんばれよー」
「あああこら、しば!ティッシュ箱はだ、めって、…うわあ」
「大変そうだな」
「手のかかる子ほど可愛いってね。ああもう、ちょっとおかあーさーん!しばがー!おかーさーん!」
「おばさん困らせんなよなー」
「ぎいいいあああああ!それお気に入りだから噛んじゃだめって!をををまじでだめだってちょっ
(プツン、ツーツー)
写メにうつってる柴犬とその飼い主よりも、背景の散らかり放題の部屋に目がいった。