もしもし
2011/05/06 22:53
「もっしもーし、わたしですけれどもー」
「なに」
「着いたら電話するって言ったじゃん」
「あー、わり、忘れてた」
「ひどい」
「普通に寝てたわ」
「ばか、あほ、すけべ」
「すけべ?」
「おいすけべ、新しい住まいはいかがですかな」
「その呼び方やめろ」
「仕方のない子だな」
「お前がな」
「で、どーなのよ」
「まあ普通」
「でたよ、ふつー。わけわかんない」
「普通に綺麗だし、普通に広い」
「そーですか」
「そっちは」
「は?」
「なんかねーの、変わったこと」
「ねーよ」
「ねーのかよ」
「あ、」
「ん?」
「かみきった」
「それだけかよ」
「それだけで悪かったなこのすけべやろう」
「写メ送れよ」
「むり」
「は、なんで」
「ま、前髪を盛大に失敗したから」
「余計送れよ」
「むり、やだ、すけべ」
「笑ってやるから送れって」
「やだ、もうねむいからねる」
「子供か」
「まあね」
「ま、いいや、誰かに頼んで写メもらうし」
「うわあ」
「うわあじゃねえよ」
「あーもー、寝る。実は明日早いんだよねー」
「おー、ガキはさっさとねろー」
「お前もなえろがきー」
「うるせえくそがき」
「はいはい、じゃ」
「ん、じゃな」
「おやすー」
「おやすみ」
腫れたまぶたを冷やしながら、短くなった髪を撫で付けてたらまた涙が流れてきて、なんかもう全部が鬱陶しくってそのまま寝た。ら、次の日寝坊して遅刻した。ふつーに最悪だ。なんでわたしばっかり。