研磨SSS





「泊まっていけば」


借りていた漫画を返しに来たついでに幼馴染みの研磨の家で一緒にだらだらとゲームをしていたら、いつの間にか外は真っ暗になっていた。いくら家が近いとはいえ外に出るのが億劫で、帰るのめんどくさいなあと呟けばなんてことないように研磨からそんな言葉が返ってくる。
高校生になった今でもたまに研磨の家に泊まったり、逆に研磨があたしの家に遊びに来てそのまま泊まることもある。だから研磨は本当に深い意味もなくそんなことを言ったのだろう。だけど、今日はそんないつもとは少し状況が違う。研磨の両親が今夜は帰ってこないのだ。つまり一つ屋根の下に年頃の男女が二人きりという状況になってしまう。それを研磨はわかっているのだろうか。……多分わかってないな。わかっていたとしても、あたしが泊まればごはんを作ってもらえるとか思ってるに違いない。まあ、研磨のお母さんとお父さんがいないからって今さら研磨とそういうことが起こるとは思えないし、一つ屋根の下で二人きりだなんてあたし達には気にするようなことじゃないのかもしれない。そう思っていつものように研磨にそうするー、と返事をした。とりあえずお腹空いてきたし、次のセーブ地点まで行ったら研磨を台所まで引っ張って一緒にごはんの用意をしよう。



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ただただ研磨くんに泊まっていけばって言わせたかっただけの話。
多分続かないからSSSってことで。




2015/10/01

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