スラダンの三井とお姉ちゃん




足を止めると最後にかつんとヒールが軽い音を立てた。そんな音も只今バスケット部が部活最中の体育館の傍ではボールの音によって掻き消される。
ふと、こちらにボールがごろごろと転がってきた。その後ろにはそのボールを追いかけてくる部員。あたしは自分の足元で止まったボールを拾うとボールを追いかけてきた部員に渡すのではなく、今あたしがここに駆け付けた理由である人物に的を定めて、思い切り投げた。


「こんの姉不孝者がァァァ!」


そんな叫びと共に投げられたバスケットボールは見事標的の頭にクリティカルヒット。しーん、と静まり返った体育館。だけど、あたしはそんなことを気にせずに靴を脱いで体育館に上がり込むと標的である弟の寿に回し蹴りを決めた後さらに踵落としを決めてやった。


「いってー…。急に来て何すんだよ!」


頭を押さえながらそんなことを言う寿に口元が引き攣る。その怒りに任せて寿の耳を思い切り引っ張ると先程の叫びなど目じゃないくらいの大声で耳元で叫んだ。


「何すんだよじゃないわよこの馬鹿弟が!いきなりグレて不良になったかと思ったら次はバスケ部に戻ったですって!?あんだけ心配させといて今更なんなの!?腹立つから一発殴らせろ」

「さっき殴ったじゃねーか!」

「残念。あれは殴ったんじゃなくて蹴りを入れたんですー。だから次は殴らせろ。今すぐ歯食いしばれ」




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だいっっっっっぶ前に書いたもの。いつかスラダンの原作沿い連載を書きたいっていう野望を抱き続けてもう7年くらい経ちました。いつか書きたい。そろそろ久しぶりにまたスラダン読み直したいです……。




2015/06/16

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