冬獅郎で狂愛





「っ…どうして、お前が…」


驚きから目を見開く隊長に思わず口角がつり上がるのがわかる。かつてあたしが隊長をこんなにも驚かせたことなんてなかったのだから当然だ。だからこそ楽しくて仕方ない。気を抜くと大声で笑ってしまいそうだ。


「どうして?そんなの決まってるじゃないですか」


一歩一歩確実に隊長に近付きながら隊長と向かい合ってる藍染の隣で止まる。


「手を貸せば雛森をあたしの好きにさしてくれるって言うんですよ?のるしかないじゃないですか」


ずっと殺したかったんですよ、そう微笑みながら告げれば隊長は信じられないというような顔であたしを呆然と見つめるのだから愉快だ。


「それなのにどういうことよ藍染。話が違うじゃない」


傍で寝転がってる雛森を蹴り転がして藍染へと視線をやる。何度も苦しめてから殺してやろうと思ってたのにこれもう死んでるんじゃない?楽しみにしてたってのに信じられない。


「君が来るのが遅かったものでね。日番谷隊長は君に任すからそう怒るんじゃないよ」
「当たり前でしょ。雛森を殺る楽しみを取られてこの上隊長まで取られたら本気で怒るわよ」


百歩譲って雛森をあたしの手で殺せなかったことはまだ許せる。あたしが殺したかったとはいえとりあえず雛森が死ねばそれでいいのだ。だけど、隊長は違う。他のやつと戦うだなんてそんなの絶対許さない。隊長はあたしと戦ってあたしだけを見てればいいんだ。





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確か一年前くらいに書いてたもの。
書きかけの整理してたら見つけたけど、内容がひどくて自分でもびっくりしました。でも狂愛って書くの楽しいんです……。




2014/11/05

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