銀魂本誌ネタバレ(514訓)





「遅かったな、待ちくたびれたぜ銀時」


ついに、この時が来てしまった。

眼鏡の少年の一撃を寸でのところで避けて向かい合い、警戒しながらも少し離れたところで対峙してる二人をちらりと見る。かつての仲間である銀髪に対して晋助が刀を構えてる姿に、じりりと胸が痛んだ。

どうしてこうなってしまったのだろう。

一緒の寺子屋で成長して、先生のために戦って、同じ悲しみを背負ったはずなのに。よく口喧嘩をしたりもしていたけど、お互いにちゃんと認め合っていたし、大切な仲間だったはずなのに。なのにどうして。

眼鏡の少年に刀を叩き込まれる前に武市が叫んだ言葉が、頭から離れない。


゛白夜叉だ!討ちとれェ!゛


わたし達は今ここで立ち止まるわけにはいかない。そのためには銀時に邪魔をされてはいけないのだ。わかってる。わかってはいるけど、どうしても割りきることができない。いつかこういう日がくることは、紅桜のときからわかっていたはずなのに。わたしと晋助と銀時とヅラと、そして松陽先生と過ごしていた日々を忘れることができないわたしがそんな覚悟を決めるのは、難しすぎる。

違う道を選んだ二人は、もう交わることはないのだろうか。銀時だって晋助だって、道を違いさえしなければきっとこんな風に戦うことを望みはしなかったはずなのに。…どうしてこんなにも離れてしまったのかな。


「護る背中が減っただけさ」


そんな言葉とともに銀時と一瞬視線が交わった。
その視線の鋭さに、もう昔に戻ることは無理だと言われたみたいで奥歯を噛み締める。ねえ、銀時はどうしてそんなにも強いの。どうして、先生を殺した世界を許せるの。わたしには…わたし達には、先生のいなくなった世界で何もなかったかのように平凡な毎日を過ごすことなんてできない。…そんなに、強くなんてなれないよ。




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ちょっと最近の銀魂の展開に胸が苦しいやらなんやらで感情の整理がしたくて、とりあえず衝動のままに書きなぐってみました。




2014/10/24

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