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それは、お鶴が短刀達と燭台切が作ったデザートは桜ひらひら浮かべながら食べていたときの事である。
バタバタバタと毎日恒例の走る音をBGMに食べていた時、皆が走る原因もとい主が襖から顔を出す。

「お、お鶴!」

ひょっこり表れた主くんは…両手が茶色い何かで汚れていた。それが何かと聞かない方がいいよね。
流石に、今は、うん。だってデザートを食べているんだよ!?美味しいものを食べているときに変なことを聞いて食欲なくすとか万死に値する。
CCPが居ないから、主くん怒られないけれどさ!居たら絶対に手を洗わされて数時間に渡って歌仙とダブルおかんで説教ルートだよ??なのに、辞めない主くんにはある意味尊敬してるけど!!

「…なんですか、主君」

「いや、お鶴に話し掛けてるんだけど!!」

「い、今、僕たちと一緒に…た、食べているんです!!」

「だから、なんかお前ら俺を誤解し…」

えーーーと言わんばかりの表情でため息をつく主くん。いや、自業自得だと思いますが。
短刀ちゃん達に嫌な目で見られるって事は………手のソレはあれなんですね、そうなんですね!!
そんな時、少し遠くから誰かが走って来る音する。ふふ、刀剣女士になってから耳が良くなったんだよね!!主くんもそれに気付いたのか焦った表情になる。そして茶色い手で私に指差す。

「今日の鍛刀は、お鶴にまかせるからなーーー!!」

じゃっと爽やかに手をかざして走り去っていく主くん。
その後ろから前髪がリボンで可愛く結ばれて額に「肉」の文字が書いてあるくりちゃんと、内番服の黒の腹巻き?が茶色い何かで汚れているたぬぽんが殺気を出しながら走っている。
ついでに言えば、2人共竹刀を持ちながら。


嵐のあとの静けさの陽な雰囲気に包まれる居間。



「………」

「………」

「………気のせいです」

いまつるちゃんの一言が、神の声に聞こえましたとさ。






さてさて、私…お鶴こと、鶴丸国永の初の鍛刀でございます!!!
隣にいるのは今日の近侍であるロイヤル兄さんこと、一期一振!!!ひええええ、本当に眩しい!!にこにこ微笑んでいる姿さえロイヤルとかなにそれ!?

「では、やってみますか」

「はい、」

初めての鍛刀…がんばりマッスル!!!




「ごめん、なさ…」

「大丈夫ですよ。最初は誰であれ失敗しますから」

にこにこ笑ってくれるロイヤル兄さんまじ兄さん。けれど、その優しさが辛いっす。一番鍛刀しやすいall50で鉄屑とか………何でだよ!?!?
才能がないんですかねぇ…

「ふふ、お鶴殿。気分展開に全て999で入れてみたらどうですか?」

「でも、」

「大丈夫ですよ。」

「分かった、ありがとう…」

そうして、チビ妖精くん達に鍛刀の材料を渡していく。ごめんよ、妖精くん達も最初に鉄屑が出たとき、くっそ驚いてたよね!私も驚きだわ!
しかし、all999とかロイヤル兄さん太っ腹っすね〜。所有権は主くんじゃね、とか思っては駄目だからね。
さて、時間は…

「3時間20分…」

ふぁ!?!?!?!?
キターーーー\(^^)/ーーーーーとするべき!?!?

「………主に伝えてきますね。手伝い札を貰わなきゃいけませんからな。」

「あ、うん」

と思ったら近くにいたのか直ぐに主くんが現れた。ついでに言えば、髪をリボンで大量に縛られて額に「肉」とついている主くんが。
うん、無視するのが一番だよね!










お鶴殿が、最後にと思っていた鍛刀で3時間20分を出した。
その数字で鍛刀される刀は限れています。私一期一振、江雪左文字、鶯丸、そして鶴丸国永。
もしも、鶴丸国永が来たら…………いや、今まで何度もその数字が出ましたが、悲しい事ですが一度も私以外が出たことはありませんし。それに何度主が嘆いた事か。まあ、いつもイタズラばかりされる此方としてみればザマ…ごほん、まあ兎に角、あの方が出ないことを祈りましょう。

「……なあ、手伝い札は何処だっけ?」

「先程、そちらに仕舞われた気がしますな」

「おー、よし行くぞ!」

主が手伝い札を鍛刀をしている釜に張り付ける。すると、仕組みは分からないが一瞬にして鍛刀が完了する。いつ見ても、不思議ですな。
その中から、取り出した刀は、


「……偽物、じゃない。本物だ…」

静まり返った部屋で彼女の声はとても響いて。

「もう、いらないか…」


ああ、何故。

駄目です。彼女が傷付くのは、私が、私達にとって許させない。

「…お鶴殿も疲れたでしょうし、燭台切さんが作った甘味でも食べに行ったらどうですかな。大丈夫、全ては"夢"ですからな」

これは、"夢"
ほら、大丈夫ですから。

「………アレは要りませんな、主」

「あー、はい。分かったから睨むなって」

私達の大切な刀。
それでも、彼女が自分を"にせもの"と言うのは許さない。
だから、顕現されないまま、私と主しか知らないこの刀は、「 」という器は、いらない。




…………誰にも、もう二度と鶴丸国永を彼女を絶望させはしない。




すみません!!!
お鶴と鶴丸国永を対面させるのは本編の都合上、厳しくて…( ;∀;)
ロイヤル兄さんはロイヤルヤンデレにもなれるって信じてます。
ちなみの設定ですが、顕現される前の刀は審神者が少しでも霊気を流せば刀でも意識はあります。けれど、今みたいに主が触れていない場合はただの器でただの刀だから、破壊しても刀解しても大丈夫です。(破壊すれば本丸に記録は残りますけど)
本編でいつか驚きのある対面をさせる予定ですので、お待ちください!!
参加ありがとうございました。


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