今は…ええ。もう五歳になりました。
いやあ、赤ちゃんの頃は辛かったですよぉー分かるでしょう?
ミルクにオムツ…分かるでしょう?

五歳になってまあ、多少は動ける範囲が広がりましたではないですかぁ。
まあまあ、前はそりゃあ忍者ですしねぇ。
少々お転婆な子とお母さんが頭を抱えていましたねぇ。それと敬語な事にお父さんがしくしく泣いていましたねぇ。
仕方がないですよぉ、それが私ですものー!
やっぱり妖怪って興味が湧きません?
今まで見えなかった世界が見えた感じがしません?キラキラした世界に見えません?
まあ、それは子どもだからだと思っておきますけれど。
妖怪を追っかけるのが私の最近のブームだったのですよぉー!
必死に逃げていく妖怪…じんめんけんとか本当に面白くて面白くて!
調子に乗り過ぎたんでしょうかねー?

元忍者って事もあったのか、元々運動神経は五歳にしてはあったのですよぉ。
それで、毎日の様に妖怪を追いかけていったらまあ、体力もついてきたんですよねぇ。
ちょっと謎の自信が出て来てですねぇ、今日は限界まで追いかけようと思いましたのですよぉ。
後先考えないのはやっぱり、まだ脳が子どもだからでしょうかねぇ。
限界まで走ってどうやって戻ってくるとか、どこまで走るのか、まったく考えなかったのですよぉ?

いやあ、それでもさくらニュータウン内だったら家に帰れると思っていましたよぉ。
おおもり山は最高ですし、団々坂も帰れます!
おつかい横丁も大丈夫ですし、そよ風ヒルズはまあ、行きづらいですけどセーフですよぉ。
おばあちゃんの家にはまあ、流石に遠いので行けませんよぉ。
という感じで、まあまあ余裕だったんですよぉ。
ですけどね、




何でしょうかね、あの赤い…いや緑?の建物は。
なんか目がありますし、妖魔界とドドンと書いてありますし。
ええ、現実逃避は止めますよぉ。



ただですね、目の前にいる褐色の肌に逆立った金髪の少年から逃げてもいいですかねぇ?
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