「いやですねぇー、相馬さん。貴方のアレを知っているんですよぉ?」

「はは、それは困ったね。けれど、僕も色々知ってるよ?」

うふふ…あはは…と笑いながら会話をする蜜希と相馬。
だがしかし、その表情は笑ってはいない。まさに凍える様な寒さを出している。

ふふふ、久しぶりに戻って最初に見かけたのがこの人だなんて最悪ですねぇ!
何十年生きていましたけど、本当にこの人苦手なんですよぉー。
異様なまでの情報収集能力と顔の広さを持っていましてねぇ、笑顔のままで相手の弱みをちらつかせて上手く「説得」するのを得意としているなんて、大の苦手なタイプなんですよぉ。今までそーゆー人達に関わってきて良いことは1度もありませんからねぇ。

「な、何ですか…あの人…!」

「ある意味相馬と同類」

「少し変な所があるけど優しい先輩だよ!」

相馬さんと張っているなんて!と誰ともなく声を上げる小鳥遊。それに呆れながらも答える佐藤と嬉しそうに声を上げるぽぷら。
その後ろからとある声が掛けられる。


「あ?蜜希じゃないか。突然休養申し込んでどこ行ってたんだ。」

「あらまぁ!杏子さんただいま帰ってきましたよぉー!」

バッと相馬に向けていた冷たい笑顔を変えて頬を染めて杏子に話しかける蜜希。その姿が何処かのチーフに似ているのは気のせいなのか。
その後ろから何処かのチーフこと八千代が顔を出す。

「蜜希ちゃん…?」

「千代ちゃん!久しぶりですねぇ!」

「蜜希ちゃんが帰ってきたなんて、八千代はとても嬉しく思います!」

千代ちゃんは本当に可愛いですねぇ!どこかの腹黒とは大違いですよぉ!杏子さんも元気そうでよかったですよー!なんかメガネ少年もいますけど、まあこのファミレスにいるのでろくな人じゃあないですよねぁー!

「あ、そうですねぇ。私は今まで三重県にいたんですよぉー!忍者発祥の地じゃないですかぁ?修行ですよぉ!」

「そのまま帰ってこなければよかったのにね」

「相馬さんこそ、もう居ないと思っていましたぁー!」

ツッコミをついに放棄した小鳥遊の肩に手を置く佐藤。小鳥遊は珍しく…本当に珍しく!感動したが、佐藤の目線が杏子さんを守る為に…!蜜希ちゃん凄い!などキラキラ目で話す八千代に向いている事に気づき、一瞬で感動が消え去った。

「あ、忘れていましたねぇー。私はサブチーフの根湖蜜希ですよぉ!今まではこれからよろしくお願いしますねぇー!」



新たな波乱の予感である。




〜2016.11.7. 拍手文



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