というのが、今まであった事ですよぉ!実を言いますとですねぇ、妖魔界で過ごしたたったの数分ですが、人間界ですとねぇ、5日経っていた様ですよぉー!
全くです。エンマくん言ってくれればよかったのですけどねぇ!
お父さんに泣きつかれ、お母さんに怒られ、暫くの間、家から出して貰えなかったんですよぉ!
ケータ兄(そう呼ばないと怒られらるか拗ねられるんですよぉ…)も私にべったりで、ですねぇ……元忍者な私にとってすごく辛かったですよぉー!
あ、今何歳だって話ですねぇ。
さくら第一小学校四年三組に在籍するごく普通の小学生(10歳)で、ごく普通の街「さくらニュータウン」に住む、ごく普通の女の子ですよぉ!
え?転生してる点で既に普通じゃない?普通と言えば普通なんですよぉー。

「ねぇ、聞いてるかい?」

とりあえず、今はそんな事どうでもいいんですよぉ!

「な、なんの事でしょうかぁ…?」

「あくまでしらばっくれるつもりかい?君からうっすら「エンマ」の匂いがするんだけどな」

女の子から莫大の人気を誇る先生。つい最近新しく理科の先生としてきた若いイケメン眼鏡。
これだけで今、私に問い詰めている人が誰か分かりますよねぇー?分からないはずないですよねぇー?

「いや…これはですねぇ…」

今も時々エンマくんに実は会ったりしているんですよねぇ…何でもぬらりさんの教育が辛いらしくてですねぇ…会うたびに愚痴愚痴愚痴ばかりですので、ぬらりさんの事、大部詳しくなった気がしなくないですよぉ!
ぶちギレると何時もの姿が変貌して正に怪物の様になるとか誰特ですかねぇ!!!
あれ、確かエンマくん、本家の幹部のキュウビと元祖の幹部のオロチとか言う妖怪がいるとかその2人?2匹?は右大臣左大臣だとか言った様な………今更ですけど、エンマくん私に色々話して大丈夫なんでしょうかねぇー?
えっと…オロチさんはおおもり山でこの町を守っていて、キュウビさんは普段は人間の姿で……
まさかまさか…

「紅蓮の親方、さん…?」

「おやおや、そこまで知っているとはねぇ蜜希さん。」

やぁぁぁぁぁぁ!!
絶対、この人、理科の先生、私がエンマくんと友達だって知っていますねぇ!
ニヤニヤしながら言われたら誰だって気付きますよぉ!
エンマくんも妖怪だって5年の付き合いで分かりましたしねぇ!勿論、本人からもそう言われましたけど!
あ、今は学校が終わって放課後ですよぉ!ケータ兄は既に友達とサッカーする為に帰りましたよぉ!え、私は何でいるのかって?今日、日直だったんですよぉ…察して下さいな。

「エンマ様と随分と仲良くしてくれた様だね」

「…ええ、そうですねぇ。エンマくんは私にとって大切な友達ですからねぇ!」

「ぬらりひょん様はまだ気付いてはいない様だけど、この町にいる妖怪…といっても妖怪の中でも最上位ぐらいだけど君がエンマ様と仲が良いって知ってるよ」

ま、まじですかぁ…
いやですねぇ、それじゃあせっかく他の妖怪に会わない様にしていた意味がないじゃないですかぁ……

「まあ、それだけだったら私も君に話し掛けたりしなかったんだけどね。」

「それは…どういう…」

「蜜希さんの魂が低俗な妖怪に狙われているって事だよ。元々人間の中でも珍しい位に綺麗だった君の魂がエンマ様の力だけでは護り切れなくなったらしくてね。」

つまりこういう事です。
私は転生をまあ2回もしていますので、2回も転生したお陰様で魂の純粋度が上がったらしいですよぉ!喜べばいいのか、悲しめばいいのやら……
そーゆー訳で、妖怪に生まれた時から狙われていた様ですよぉー!いやぁ、驚きですなぁ。私が追いかけ回していた妖怪達の中にも魂を狙われたとか……なんともまあって感じですねぇ。
そんな中で、7歳までは絶対に魂は奪われない様になっていたらしいですよぉ!
ほら、7歳までは神の加護とかなんとかかんとかあるじゃないですかぁ!
後は母の愛情…照れますな照れますなぁー!
それでですね、7歳以降は危ないらしいんですけど、偶然にも仲良くなったエンマくんがくれたメダルが護ってくれてたらしいんですよぉ……だから会うたびにほっとした表情を浮かべていたんですねぇ!もしエンマくんと出会っていなかったら7歳になった途端……いやぁ、すごい話ですねぇ!
そしてですねぇ、10歳を過ぎた今、エンマくんのくれたメダルでも護り切れるのか限界らしいんですよぉ。元々自分達を呼び出すなんとかがないと召喚出来ないのに加護をつけたエンマくんが凄いとか理科の先生…キュウビさんが言いましたけど、ぶっちゃけよく分からないものですよぉ!
いやぁ、年寄り(精神年齢)は忘れやすいものですからねぇ!

「という事で、『チョーシ堂』に行こうか」

「『チョーシ堂』?」


いや、まずどうして行こうとなったんですかぁ?



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