マネージャー

勝ち取りましたよマネージャー。
担任に聞いてもマネージャーは運動部でも募集していないと一蹴されたので顧問の所へ直談判しに行きましたよ。
そこでもマネージャーはいらないと言われたのを一ヶ月かけて説得しましたよ。
何なら部活にも押し掛けましたよ。
何度要らないと言われようとも入部届けに名前を書いて出し続けたら、ついに担任と顧問が折れてくれました。
粘るって本当に大事だと思う。
これで晴れてマネージャーの座を頂きました。
入部の挨拶をした時にトオルちゃんの顔がひきつってた様に見えたけど気にしない。


「なぁ、何でそんなにマネージャーやりたかったんだ?」


部活の休憩中にドリンクを配ってたら同い年の金田一に聞かれた。
手は止めずに即答する。


『はじめちゃんとトオルちゃんがいるから』
「あー及川さんのいとこだっけ?」
『そうそう。二人と一緒に部活したかったの』
「あの顧問がよく許したな」
『押し掛けたの国見も見てたでしょ?』
「お前絶対に諦めませんってここで宣言してたもんな」
『先手必勝だよ二人とも』
「女子バレー部でも良かったんじゃないの?」
『影山!それは酷いよ!泣いちゃうよ!』
「何でだよ。おい、そんなことで泣くなよ」
「影山、嘘泣きだから」
『国見!ばらしちゃダメだよ!』
「嘘泣き!?」
「香坂は運動神経が壊滅的に悪いんだよ」
「え?」
『待って!金田一待って!それをばらしたらダメだよ!』


「香坂!他にもやることはあるぞ!手が止まってる!」
『わ!すみません!今やります!』


1年と喋ってたら顧問に怒られた。
不味い、このままでは追い出されてしまう。
入部する時に不必要だと思ったらいつでも追い出すからなと宣言されていたのだ。


『んじゃ、残りも頑張ってきまっす!』
「おー」
「転けるなよー」
「頑張れ」


パタパタと残りのドリンクを配り終えると3年の所へとボトルを回収しに行く。


「みきもだいぶ馴染んだね」
『あったりまえです!』
「まぁ最近は失敗も減ってきたな」
『追い出されたら困るもん』
「お前は本当に可愛い俺たちの妹だよ」
「そうだな」


二人に褒められてにへらと顔が緩む。
早く二人に追い付きたい。二人と並びたいってのが私の目標だった。


あの時はまだ追い付けると思ってたんだ。
まだ恋心も知らない昔の話。

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