貰ったアドバイス

「みきちゃん岩泉に告白したってほんと?」
『花巻さん違います。彼女にしてもらう予定って言っただけですよ』
「俺もそれ聞いたー」
『松川さんも?』
「3年の間で噂になってんだよ」
『それは良い虫除けになりますね』
「おお、みきちゃん意外と逞しいのね」
『急がないと一年しかないから』
「まぁ確かにな」


部活の休憩中。
ドリンク配ってタオルを配ってたら花巻さんと松川さんに捕まった。
3年の間で噂になってるのか。
まぁそれは良いことだよね。
これではじめちゃんを好きな人に対して牽制出来るし私が告白されるのも阻止出来るはずだ。
はじめちゃん以外から告白されても嬉しくないし。


「んで、岩泉の反応は?」
『んーイマイチだった』
「やっぱり?」
『こんなとこで言われても信用出来るかって友達に言ってました』
「あー」
『かと言って真面目に告白したらフラれちゃうだろうし』
「まぁ俺達も応援してるからさ」
「頑張ってね」
『はい!』


二人に頭を下げてマネージャーの仕事へと戻る。
あんまり長く話してると監督かコーチに怒られちゃうからだ。
最近はなんとなくあ、これ以上は怒られるなってラインが分かってきたから早々に怒られたりはしないけど。


「みき、まっきーとまっつんと何話してたのー?」
『はじめちゃんの話ー。3年で噂になってるよって』
「そうそう!俺もびっくりしたよ。早すぎだよね」
『何でだろねー?』
「何で及川知らねぇの?」
「ん?岩ちゃん何が?」
「お前のいとこだしこいつ結構モテるだろ」
「え?そそそそうなの?」
『何ではじめちゃんが知っててトオルちゃんが知らないのさ』
「それはね」
「及川がみきちゃんの話を他のやつらにされてもスルーするからじゃね?」


はじめちゃんとトオルちゃんの所に言って二人と話していてもこの話題にはじめちゃんが動揺したりすることはない。
何でさ!少しくらい意識してくれてもいいじゃんか!
何なら何故こんなに早く噂が回ったかをはじめちゃんが教えてくれた。
何だろう、最初のアプローチ間違えたのかな?
私の疑問に花巻さんと松川さんが補則説明をしてくれる。
あぁ、確かに昔からトオルちゃんは私の話を身内以外にするのは嫌がるもんな。
共通の知人じゃないと私の話はしない。
ブラコンもいいとこだと思う。


『ねぇはじめちゃん』
「なんだよ」
『男が好きとかないよね?』
「ねぇよ。及川じゃあるまいし」
「俺も女の子が好きだよ!」
『ならいいんだ。そしたらどう頑張っても無理だから安心した』
「おう」
『じゃあ好きな女の子のタイプは?』
「俺も岩ちゃんの好み知りたい!」
「はぁ?」
『いいじゃん教えてよー』
「聞きたい聞きたい!」
「んなもん好きになったやつがそうだろ」
『それ全然参考にならないよ!』
「岩ちゃんらしい答えだけどさー」
「しょうがねぇだろ」
「もっと何かないの?おっぱいは大きい方がいいとか」
『美人さんが好きとか』
「ねぇよ。んなの外見だけだろ」


帰り道、ずっと気になってたことを聞いたらあっさりと否定してくれた。
良かった、男が好きとか言われたら私きっと死んじゃう。
諦めたりはしないだろうけど。
好きな女の子のタイプは釈然としない答えを言われる。
好きになったやつがそうだろとかはじめちゃんらしいけどさ。


『じゃあどうしたらいいんだろ』
「焦らなくてもいいんじゃねぇの」
『え?』
「岩ちゃんそれって」
「ちげぇよ。今は別に何とも思ってない」
『ばっさり言ったぁぁぁ』
「だから、お前が本当に俺のこと好きなら追いかけてみろよ」
『ん?』
「一途な女は嫌いじゃねぇべ」
『分かった!頑張る!はじめちゃんありがとう!』
「おう」
「なんか岩ちゃんがかっこよく見える」
「あ?くそ及川蹴られたいのかよ」
「岩ちゃん!ちょ!もう蹴ってるから!」


あっさりばっさりと今は何とも思ってないとか言われてかなりショックだったけど続く言葉にパァと嬉しくなる。
好きにならないとか妹にしか見えないとか言われなくて良かった。
追いかけてみろよって言うからチャンスはまだあるんだろう。
中1からの片想いだ。大学も追いかけていってやろう。


はじめちゃんはずーっと余裕そうだったなぁ。
後にも先にも怒って焦ったはじめちゃんを見たのは一回だけだ。


この話を国見にしたら「好きな相手にアドバイス貰うとかバカじゃないの」って言われたけども。
この時は浮かれてたなぁ私。

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