指令その2


「なにしとるんじゃ黒尾」
「仁王君聞いてくれる?また指令が届いたんだよ」
「…ま、頑張りんしゃい」
「ちょい待ち!今絶対に面倒だなって思っただろ!」
「何してんだよ」
「やっくん!指令がきたんだって」
「それは聞こえた。早くその内容を言えよ」
「まーくんは眠いなり」
「仁王、逃げるのは無しな」
「夜久は手厳しいのう」


「で、全員集めてどーするんスか、黒尾さん」
「グループ分け」
「はぁ?何だよそれ」
「黒尾さんその紙ちょっと見せてください。あぁ、三四か二五でいくつかグループ分けをしろって書いてありますね」
「クロ、赤葦くらい説明上手になってよ」
「研磨、俺だって頑張ってるんでーすー」
「二五なら簡単だろい。そのまま分けりゃいいし」
「そんな簡単にしていいのかのう」
「面倒臭がりなお前が言うのかよ」
「夜久は仁王にだいぶ馴れたよなぁ」
「まぁそれはとりあえず候補に入れておけばいいだろ。いくつか作れって書いてあるし」
「あ!学年でも分けられるッスね!」


「んで西谷の言う通り学年で分かれてみたけど」
「まぁこれも悪くは無いよな」
「あっちはあっちで大丈夫みたいだしな」
「おもちゃがおらんからつまらんぜよ」
「仁王、それ研磨の前で言ってやるなよ」
「研磨未だにお前にだけ人見知りしてるもんな」
「丸井のことは克服したのになー」
「俺は仁王みたいに酷いことしねぇしな」
「え、ちょ!仁王君!研磨に何したの!?」
「それは…内緒ナリ」
「お前からかうのは黒尾と西谷くらいにしとけよ」


「この分かれ方なら問題ないよね」
「うん、もうずっとこれでいいよ」
「孤爪元気無くね?何かあったのかよ」
「仁王、さんがメンドイ」
「あーあの人悪戯大好きだもんな」
「西谷はそんなに何で平気そうなの」
「あれくらい全然平気だろ!」
「(絶対に嫌だ)」
「(西谷はやっぱり凄いな)」


「よし、これで2パターンは決まったな」
「後一つか二つは考えておきたい所ですね」
「んじゃこうしようぜ」
「あぁ、普通にグーとパーで分かれてみるか」
「どうなるか楽しみじゃのう」
「えぇ」
「孤爪、ほらやってみようぜ!」


──結果

黒尾仁王西谷
赤葦夜久孤爪丸井で分かれたのだった──


「向こうがちょっと心配」
「なんつーか暴走しそうだよな」
「二人とも黒尾さんに信用無いんですか」
「まぁ仁王がいるしなぁ。ノリの良い西谷もいるわけだし」


「西谷は素直じゃのう」
「そうッスか?別に普通だと思うんですけど」
「仁王君、後輩いじめないでよ」
「俺はいじめるつもりなんて毛頭ないぜよ。可愛がっとるだけじゃ」
「俺も別に大丈夫ッス!」
「そんな西谷にキャラメルじゃ」
「アザース!…ってまっず!」
「それ何なの仁王」
「黒尾も食べてみるか?」
「いらないです」
「こんなにまずいキャラメル初めて食べたんですけど」
「修学旅行のお土産で丸井が後輩に買ってきたぜよ」
「丸井さんも結構酷いッスね」
「いやいや、西谷…お前にそれ渡したの仁王だからね?」
「ピヨ」


「それで、もう一つくらい考えんだろ?どーするんだよ黒尾」
「もうメンドイから嫌だ」
「適当でいいんじゃねぇ?」
「孤爪も丸井さんも後ちょっとですから」
「まだ一緒のグループになったことないやつと組めばいいじゃろ」
「仁王さんいいこと言うッスね!」
「それ何か企んでないか?」
「さあのう」


どうせなら3グループに分けようと仁王が言い出した結果くじ引きになった。


仁王孤爪夜久
丸井西谷
黒尾赤葦


「おお、西谷宜しくなー!」
「此方こそ宜しくお願いします!」


「一緒のグループになったのう」
「えぇ、嫌だ」
「こら本人の前で露骨に嫌な顔をしない」
「夜久君、仁王さんには直接言わないと伝わらないと思う」
「酷いのう。まーくんはこんなにも孤爪と仲良くしたいのに」
「こんなことで泣くなよ仁王」
「夜久君嘘泣きだよ」
「はぁ?」
「バレたなり」


「どう考えても仁王がいるとこが台風の目みたいになってんな」
「俺もそう思います」
「まぁやっくんいるから大丈夫でしょ」
「そうですね」


これで4パターンのグループ分けが出来たのであった。リーダーと副リーダーの苦労はきっと絶えることはないだろう。


仁王と研磨は果たして仲良くなれるのだろうか。
2018/12/25


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