バレーボールレクリエーション

「じゃあ休憩終わりね〜」
「三回戦始めるから@とDがAコート。AとBがBコート。CとEがCコート集合だよ」


あっという間に休憩中のサーブ練が終わってしまった。
なんとか向こうのコートまで届くしこれならきっと大丈夫!
隣で仁花ちゃんがぐったりしてるけど大丈夫かな?


「山口君、むっ無理!サーブは無理だよ私!」
「谷地さん大丈夫だよ。さっきちゃんと届いてたし」
『そうだよ仁花ちゃん!頑張ろうね!』
「むーりー」
「黒尾、未来ちゃんが無意識にやっちゃんにプレッシャーかけてんぞ」
「あーね。でもあれ止めても理解出来ないだろうからなぁ」
「やっちゃんサーブは勢いでこうガーッとやっちまえば大丈夫だぞ!」
「木兎まで便乗してんな」
「ほらほら、未来ちゃんも木兎もそんなにやっちゃんにプレッシャー与えないの」
「『?』」
「澤村さん!」
「堪らずに澤村が止めに入ったな」
「だなー」
「影山はこの時間までトス練か」
「ほんっとぶれないよな」


三回連続Cコートだから移動がなくて楽チンだ。
Cのチームは夜久さんと福永さんがいるはずだ!と言うことはきっとボールがまた沢山戻ってくるなぁ。


『夜久さん!』
「ゲ、次お前らのとこかよ」
「やっくんがリベロとか燃える!さるもいるな!」
「夜久、木兎がこう言ってるし全部拾ってやれよ」
「無茶言うなよ黒尾」
『夜久さん夜久さん!私、サーブするの』
「未来がサーブ?」
「どうしてもやりたいんだと」
「ちゃんとコートに届くようにやれよ」
『仁花ちゃんと練習したから大丈夫!』
「やっちゃんもサーブすんの?」
「は、はい!そうです!」
「未来ちゃんに引きずられた感が強いけどなー」
「はーい、お話はそこまで。試合始めるよ!」


雀田先輩の言葉で話は終わり試合が始まることになった。
サーブから参加出来るの嬉しいなぁ。
こっちのチームからのサーブだから私からサーブさせてもらうことになった。


「未来!やっくん狙ってやれ!」
「木兎、夜久を狙ったら駄目だろ」
「軽く拾われて速攻くんぞ」
「未来ちゃん頑張ってー!」
『頑張る!』


自陣のコート内には前衛は初戦と同じく木兎さんと黒尾さんと飛雄が居て後衛は木葉さんと小見さんと私だ。
夜久さんを狙う技術私には無いからなぁ。
木兎さんの言葉に呆れたように木葉さんと小見さんが突っ込んでいた。
ピィーとホイッスルが鳴るのに合わせてサーブを打つ。
夜久さんを狙おうにもそこまでボール届かないんだよね。
私のへなちょこサーブはネットをギリギリ越えて前衛へと落ちていく。


「お、ぼちぼちだな」
「こんなギリギリ落ちてくんのかよ!?」
「強羅!そのまま落としてもいいぞ!」
「嫌だ、ね!」


飛雄が一、ニ回戦の反省を生かしてくれたおかげで今度は満遍なく小見さんと私以外のみんながスパイクを決めている。
取ったり取られたりだけどこっちのが押してるのかな?
心配してた仁花ちゃんのサーブも私と同じくギリギリ向こう側に入ってくれたから二人で喜びを分かち合えたし木兎さんのおかげでこの試合もさくっと勝てた。


「さすがに疲れるだろこれ」
「同じく」
「次も勝ったら優勝だぞ!肉!肉!」
「木兎はまだ元気だな」
「俺も大丈夫ッス」
「それ影山と木兎さんくらいだよ」
「サーブ死ぬかと思ったよ」
「谷地さん大丈夫だよ。全部ちゃんと入ってたよ」
『うん、大丈夫だったよ仁花ちゃん!』
「もうやらなくていいよね?」
『えっ?』
「えっ?」
「最後だしやりたい人がやればいいんじゃないかな?」
「やっちゃんはもうしなくてもいいぞ」
「良かったぁ」


次の相手が発表される。
またもやコートはCだった。
どうやら@とEは移動しなくてもいいようになってるらしい。


「この際総当たりでも良かった気がする!」
「木兎、それ冗談でも笑えないぞ」
「俺は本気だぞ小見やん!」
「次はどことだ?」
「チームAと対戦だね」
『猛虎さんと優生がいる!』
「菅原さんと日向と木下さんもいるね」
「お、鷲尾もいんな」


ぞろぞろとチームAの面々がCコートに移動してきた。
ここに勝てたら優勝なんてわくわくしてきた。
今度は仁花ちゃんが先にコートに入ってったから私は最初は応援だ。
どうやらチームAは一敗してるから私達が負けたら両チーム優勝になるらしい。
なので試合は最初からとっても白熱している。
点を取り合う攻防がさっきより激しくてぐるぐるメンバーが代わっていく。


『疲れたかも』
「後もうちょっとだから頑張れよ未来」
「私も疲れました」
「ま、二人とも頑張ってたからな」


一番バタバタと入れ替わる試合で最後なこともあってちょっと疲れてきた。
今は黒尾さんを真ん中にして仁花ちゃんと応援をしている。
練習でも動いてレクでもこんだけ動いてみんなほんとに凄い。
あ、でも木葉さんと忠はちょっと顔が疲れてるかも。


向こうのチームもこっちのチームもマネージャーは一通り交代したから今はもう真剣勝負だ。
めまぐるしくボールが飛び回っている。


「影山!ラスト俺に寄越せ!」
「ッス!」


マッチポイントでこれが決まったらチームEの優勝が決まる。
木兎さんだからきっと大丈夫なはず。
仁花ちゃんと二人で応援する声に熱が入る。
木兎さんのスパイクがブロックに阻まれたと思ったら一直線にこっちに飛んできた。
避けなきゃぶつかるって思った時にはボールは目の前で衝撃に備えて慌ててギュッと目を瞑る。


「っと!危なっ」
「未来ちゃん!?だ、大丈夫!?」
『痛くない?』


黒尾さんと仁花ちゃんの声にそろりと目を開けると視界は暗い。


「未来?大丈夫だったか?」
『はい、大丈夫です』
「黒尾さんが未来ちゃんを引き寄せてくれたから大丈夫だったんだよ」
『黒尾さんありがとうございます』
「無事で何よりでした」


どうやら黒尾さんが腕を引いてくれたらしい。
あ、だから目の前が真っ暗だったんだ。
顔を上げたら黒尾さんの顔が見えたからお礼を言っておいた。
ボールになんてぶつかったら午後の練習に参加出来なくなっちゃうとこだった。
夜久さんに夜の肝試し参加を止められちゃってたかもしれない。


「未来!大丈夫だったか!」
『はい、大丈夫でした』
「良かったー!またぶつかってたら俺絶対立ち直れない」
「大袈裟だろ木兎」
「よく止めたな黒尾」
「うちの大事なマネージャーですからね。ま、やっちゃんでも同じことしましたけど」
「お前それは清水に怒られるぞ」
「何でやっちゃん助けて烏野のマネさんに怒られるんだよ」
「そりゃそうやって未来ちゃん抱きよせてるみたいにやっちゃんにもやったら烏野マネさんだけじゃなくて澤村にも菅原にも怒られるだろ」
「あーナルホド」
『黒尾さん暑い』
「悪い悪い。ま、お前に何もなくて良かったわ」
『はい』


黒尾さんの体温が伝わってきて暑かったからそれを訴えたら解放してくれた。
最後のが向こうのチームのブロックアウトになったから優勝が決まったみたいだ。


『優勝?』
「そーだぞ!優勝したぞ!良い肉食えるからな!」
「おめでとうございます」
『おめでとうございます』
「やっちゃんも未来ちゃんも頑張った結果だからな」
「影山と山口も頑張ったなー」


主将三人が私達四人を代わる代わるわしゃわしゃと撫でてくれた。
やっぱり仲良しなヒトに褒められるのはとっても嬉しい。
一通り撫でられた後仁花ちゃんと目が合って二人で笑った。


「みんなお疲れ様〜」
「優勝は予測通りチームEだよ」
「おめでとおめでと〜」
「最終日の高級なお肉楽しみにしててね」
「じゃあ30分休憩して午後練始めます〜」


さくさくと午後の練習が始まるらしい。
あ!そしたら準備しないと!


『えぇと、楽しかったです。ありがとうございました』
「お、自分から言えて偉いな未来」
「私も楽しかったです!」
「やっちゃんかなり頑張ったもんな」
「途中死にかけてたもんね」
「山口君それは言ったら駄目だよ!?」
「影山ありがとなー!」
「俺も楽しかったッス」
「まぁなんだかんだ楽しめたよな」
「そうですねさーむらさん」
「午後も目指せノーペナルティー!」
「アイツ何であんなに元気なんだよ」
「木兎だからだろ」


みんなにお礼を言って午後の練習の準備をすることにした。
疲れたしちょっと眠たいけど夜は肝試しもあるから午後の練習も張り切って頑張ることにしよう。


やっとこさお昼のレクリエーションが終わりましたよ( ・∀・)ノ
次は夜の肝試し☆
2018/07/17
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