くじ引き

『くじ引き?』
「明日のレクの班分けのくじ引きな」


明日のレクって何するんだろ?
夕飯の時に黒尾さんがいきなり言い出したけど…あ、もしかして胆試しかな?


「黒尾さん、明日って何するんすか?」
「あーそれはだな」
「昼が梟谷企画のごちゃ混ぜ混合バレーな」
「げ」
「クロ、それってもしかして」
「学校バラバラにしてレクでバレーするんだと」
『レクでもバレーするの?』
「えぇ」


研磨が物凄い嫌そうな顔をしている。
練習でバレー沢山してるもんね。
私はちょっとだけわくわくしてるけど。


「木兎がやるって俺らの意見聞かなかったんだよ」
「木兎さんじゃ仕方無いとは思うけど」
「研磨、そんなに言ってやるなよ。赤葦始め他の梟谷のヤツらは申し訳なさそうだったんだぞ」
「クロがどうにかするべきだったんじゃないの」
「黒尾は乗り気だったよな」
「海!ちょ!それバラさないで!」
「あーそういうことな黒尾」
『夜は?』
「あ、そうそう胆試しも明日な。そっちもくじ引きな」
「明日楽しそうっすね!」
『優生、一緒になれるといいね?』
「芝山は怖いの苦手だもんな!」
「や、僕もう多分大丈夫だよ」
「未来がいれば面白いもんなー?」
「おーおー1年は楽しそうだな」
「俺は昼も夜も参加したくない」
「明日は全員参加だぞ研磨」
『バレーも楽しみです!』
「どんなチームになるか楽しみだな!」
「昼はポジションごとにくじ引きするからな」
「黒尾さん未来はー?」
「マネージャーだけのくじ引きだと。6チーム作るからな」
『夜のくじ引きは?』
「森然以外の生徒でくじ引きだな。三人一組だぞ」


夜は三人で胆試しするのか。
誰と一緒になるかなぁ?
昼も夜も楽しみだから今日は早く寝なくちゃ。


「明日のバレーのくじ引きなー!」
「はーい、みんなポジションごとにひいてね〜」
「未来ちゃんはこっちね」
『はい』


そんなことを話していたら梟谷のみんながくじの入った箱を持ってやってきた。
それぞれのポジションに分かれてくじを引いている。
私は雀田先輩が差し出してくれた箱の中から一枚選んでひいた。
中を確認してみると6番と書かれている。


「未来何番だった?」
『6だったー』
「お、俺と一緒だな」
『黒尾さんも6番?』
「俺1番だった」
「俺も研磨さんと一緒です!」
「俺は3番」


結構みんなバラけたみたいだ。
走と研磨が1番で猛虎さんと優生が2番。
海さんが3番で福永さんと夜久さんが4番。
リエーフが5番で私と黒尾さんが6番だ。


『バラバラですね』
「ごちゃ混ぜバレーだから固まったら意味無いからな」
「黒尾さん、このバレーって買ったらいいことあるんすか?」
「おー最終日のバーベキューで高い肉食えるってよ」
「んじゃ頑張らないとな!」


黒尾さんの言葉にみんな気合いが入ったみたいだった。
あ、みんなは間違い。研磨以外。
黒尾さん以外に6番は誰になるのかな?
なんだか明日が楽しみになってきた。


「同じチームメイトには何番か言ってもいいけど〜」
「他の学校には内緒にしといてね」
「明日いきなりチーム組んで試合するのが楽しいんだからな!」
「木兎がこんな感じだからな」
「俺達もまだくじ引いてないんですよ」


同じチームのヒトは明日にならないと分からないらしい。
それってもしかして胆試しもかな?


思ってた通り胆試しも他のヒトに自分の番号は話しちゃいけないって大滝先輩に言われたんだった。
どうやらなるべく学校も学年もバラけるようにくじを作ったらしい。
てことは優生とは一緒になれないなぁ。
優生大丈夫かな?お母さんの誰かと同じ組になれますように。


あちこち賑やかな夕飯を終えてバタバタマネージャーの仕事を終わらせる。
このタオルを畳んだら今日の仕事は終わりだ。


「未来ちゃんだ」
『あ、仁花ちゃん』


一人でせっせとタオルを畳んでいると仁花ちゃんが顔を覗かせた。


「明日のお昼のバレーが不安でしょうがないの」
『どうして?』
「みんなの足を引っ張るだけな気がして」
『烏野で同じチームのヒト居た?』
「澤村さんと影山君と山口君と同じなんだけどね」
『それなら良かったね』
「他のチームメイトが分からないから。未来ちゃんは?」
『私は黒尾さんと同じだった』
「それなら未来ちゃんも良かったね!」
『バレーも胆試しも楽しみだね』
「あっ!そうだった!胆試しもあるんだったぁぁぁぁ」


何か仕事があるのかなと思ったら私の隣に座って一緒にタオルを畳んでくれている。
私の言葉に仁花ちゃんはズーンと落ち込んでしまった。


『怖いの苦手なの?』
「それもあるしなるべく学校も学年もバラけるって聞いたから」
『音駒のみんなは面倒見いいから大丈夫だよ?』
「夜久さんとか本当に面倒見良いもんね」
『梟谷もみんなそんな感じだから大丈夫だよ』
「今から緊張してきた」
『夜久さんか海さんか黒尾さんか京治か鷲尾さんと同じになれるように祈っとくね』
「うん、未来ちゃんありがとう。怖いの平気なの?」
『お化け屋敷は大丈夫だったよ』
「お化け屋敷の方が胆試しより怖いよ!」


それから仁花ちゃんはいかにお化け屋敷が怖いかを説明してくれた。
だからそんなにお化け屋敷が怖いなら胆試しはきっと大丈夫だよって言ってあげたらなんとなく納得してくれたみたい。


『あ、終わった。仁花ちゃん手伝ってくれてありがとう』
「未来ちゃんも話聞いてくれてありがとう」
『じゃあお風呂に行こうかな』
「私も一緒に行くー」


ちょうど他のマネさん達も仕事が終わった後だったらしく七人で仲良くお風呂に入ってその後は教室でおやつパーティをした。


『好きなタイプ?』
「うんうん、女子が話すことって言ったらここからだよね」
「合宿も今日で折りかえして明日から後半だからね」
「未来ちゃん、好きな人のタイプでいいよ?」
「どんな人が好きかってことね」


大滝先輩と宮ノ下先輩に聞かれて戸惑ってたら雀田先輩と白福先輩が分かりやすく教えてくれた。
どんな人が好きかなら答えれそうな気がする。


『優しいヒトは好きです』
「確かに優しいは大事だよねー」
「他には他には?」


他に?うーんと他に?
ちゃんと考えたことが無いからこの手の話は難しい。
あぁでも先輩達が期待した眼差しをこちらに向けてる気がする。


『しつこくないヒト?』
「しつこい人が過去にいたんだねそれ」
「そうなの〜?」
「私達もその話は初耳だよ?」


それから話がしつこい人についてに反れてってくれたからこれ以上追求されなくて内心ホッとした。
体育祭の後に告白された話を六人に話す。


「あぁそういう感じの人ね」
「告白してフラれたんだから潔く身を引きなさいって感じだよね」
「それでつい夜久の名前を出しちゃったのかぁ」
『はい』
「未来ちゃん、もう言われたかもしれないけどそれは駄目よ」
『あ、それはちゃんと後から夜久さんに謝りました』
「分かってるならいいの」


清水先輩が言いたいのは走に言われたことだろう。
私が返事をすると優しく微笑んでくれる。
周りの迷惑になるかならないかは考えて行動しなくちゃいけない。
走にあの時ちゃんと指摘してもらって良かったと思う。おかげでちゃんと成長出来た気がするから。


お菓子パーティを終わらせて歯を磨いて寝ることにする。
気付けば合宿も後三日だ。
バテないように後半も頑張ろう!


明日のレクはハードだよ!ちなみにチーム分けは実際にちゃーんと私もやりました(笑)
全部を載せることは出来ないけれど。
ちゃんと森然と生川の部員も混ぜて作ったよ!
明日のレクのための説明回になってしまった感が否めない。
2018/06/07
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