試験勉強

月末の中間テストのためにテスト週間に入っている。
一週間は部活動禁止だ。
ブン太とは部活が休みでも相変わらずずっと一緒だけど。


『試験勉強?』
「そうそう!学校でしていかない?」
「青木もいんの?」
「俺も勉強しないと色々不味い」
「ちはるもだよね」
「そうなんだよーヤバい」
「ってことでジャッカルを召喚しました!」
「おージャッカルじゃん!」
『教えるのが私と梨夏とジャッカル君?』
「俺も国語は教えて欲しいけどな」
「私も政経は教えて欲しいかも」
『じゃあ順番にやってこうか』



放課後に梨夏に学校で試験勉強をしないかと提案された。
後ろにはちはるちゃんと青木君もいる。
あぁきっと一人で二人に勉強教えるのに少し疲れたのかもな。
ブン太も異論は無さそうだったので話がまとまった。
大まかに分けて英語がジャッカル君。
理科と数学は私。
国語は梨夏。
社会はみんなで頑張ることにした。
私も社会はそこまで得意ってわけじゃないもんな。
ちなみに上田君は彼女に勉強教えるとかで帰ってったらしい。
上田君はそこそこ成績良かったもんね。


「丸井は反対すると思ったんだけどなぁ」
「なんだよそれ」
「凛と二人がいいって言うかと」
「お前なぁ今からでも凛と帰ってもいいんだぞ」
「わ!それは困る!ごめんごめん!ほらジャッカルも謝って!」
「何でだよ。お前が悪いだろ完全に」
『ほら早く勉強始めよう?』
「テストマジ嫌だ」
「私もー」
「俺も出来ることならやりたくねえ」
『赤点は頑張って回避しよう?』
「サッカー部もバレー部もうちと同じで赤点には厳しいだろ?頑張れよ」
「「はぁ」」


ちはるちゃんと青木君は勉強苦手だもんなぁ。
レギュラー維持するには赤点回避が必須だから大変なんだと思う。
各教科要点だけ叩き込まないとなぁ。


「つーか丸井は椎名さんとテスト週間入ってずっと勉強してたんだろ?」
「まぁな」
「それなら別にもう赤点は大丈夫じゃねえの?」
「まだ無理だっつーの」
「何でさー」
『手が止まってるよ皆』
「凛その誤魔化し方は怪しいなー」
『そんなことないって。ほらちはるちゃん続けて続けて』
「お前らいつもこんな感じなのか?」
「そだよ。楽しいでしょ?」


テスト週間に入って今日で四日目だけど最初の三日間はあんまり勉強にならなかったなんて口が避けても言えない。
うちで勉強しようだなんて言わなきゃ良かったかも。
学校の図書館辺りにしとけば良かったよね。
ブン太とイチャイチャするのが嫌だったわけじゃないけれど勉強を疎かにしたらやっぱり駄目だ。
ジャッカル君が梨夏の隣で呆れた様な表情をしている。
いつだって私とブン太が梨夏達のおもちゃになってるよ。
青木君とちはるちゃんもそうなるかと思ったのにそんなこと全く無かったよ。


「凛ここってどーすんだ?」
『これはねこの公式を使って』
「そこまでは俺も出来たんだよ」
『応用問題だからね。こっちをこうやってやらないと』
「あーそういうことな」
『分かった?』
「おう!それなら大丈夫そう」


この調子ならブン太の数学はなんとかなりそうだな。
隣で梨夏が三人に国語の問題を解くコツを教えている。
三人ともちゃんと理解してるかな?


「駄目だ、全然意味わかんねえ」
「答えが書いてあるって言うけど分かんないものは分かんないよ梨夏ー」
「本気で言ってるの!?」
「すまん」
「ジャッカルまで!?」
『梨夏、暗記物に絞った方がいいかもよ』
「そだねえ」


国語の文章題はセンスみたいなものだもんなぁ。ひたすら問題を解いて馴れるしかないから付け焼き刃じゃ多分無理だと思う。
と言うかこの二人去年はテストどうしてたんだろう?


「凛、去年は青木は上田に頼りきりだったしちはるは私が手取り足取り頑張ってたよ」
『あ、そうなんだ』
「丸井は?どうしてたのさ」
「俺達はアイツらがいるからな」
「あぁ、確かに」


柳生君とか頭良さそうだもんなぁ。
テニス部で心配なのはブン太と仁王君と赤也君くらいなんだろうなぁ。
もう金曜日なんだけど青木君とちはるちゃんは本当に大丈夫なんだろうか?


「お前ら明日はー?」
『部活だよ?』
「は?何でだよ」
「日曜日が県大会決勝なんだよ」
「あーね」
「テスト前に大変ですなぁ」
『部活がてら勉強会なんだよね』
「だから鈴木頑張れよ」
「まじかー明日もジャッカルと凛にお願いしようと思ってたのに」
『要点だけは一応ここにまとめておいたから。月曜日は最後にまた皆で勉強しようね』
「凛ーほんと助かるー!」
「椎名さんほんとありがとな!」
「二人とも!赤点回避出来てからお礼は言ってよー」


一段落ついた所で今日はお開きにすることにした。
あんまり一日で詰め込んでもね。
覚えてらんないと思うし。
テストの要点は梨夏に渡しておいたから大丈夫だろう。
一人で二人は大変だろうけど頑張ってね。


「腹減った!」
「頭使うとお腹減るよねぇ」
「君達運動部は身体動かしてもお腹空くでしょー?」
「「間違いない!」」
「テスト無事に終わったらジャッカルんちにラーメン食いに行こうぜ!」
『ラーメン?』
「そうそう!ジャッカルのおじさんラーメン屋さんなの!」
「いいねぇ」
「31日にみんなで行くかー」
「んじゃ決まりな!」
『三人とも勉強頑張ってね』
「お前らは決勝頑張れよ!」
「楽勝楽勝!」
「県大会はまぁ余裕だな」
「じゃあまた月曜日ね!」
『はーい』
「またねー」
「おーまたな!」


梨夏とジャッカル君は方向が一緒だし青木君はちはるちゃんを送っていくから校門で皆と別れた。
そして私もいつもの様にブン太に家まで送ってもらう。


「明後日、弟達がケーキ作るんだってよ」
『え?何で?』
「凛が来るからだろい?」
『えっ?』
「俺程じゃないけど二人も結構ケーキ作り上手くなったから楽しみにしてろよ!」
『何か不思議な感じ』
「いつも作ってばっかだもんな」
『なんだか嬉しい』
「楽しみだろ?」
『うん。かなり!』
「お前と遊ぶんだって張り切ってからな」
『わ!それもかなり楽しみ。こないだあんまり話せなかったから』
「四人で遊ぼうな!」


テストのことはまだ少し心配だけどブン太の弟に会えるのは楽しみだな。
二人も張り切ってケーキを作ってくれるみたいだし。
その前に県大会の決勝きっちりサポートしなくちゃな。

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