氷帝戦

今日最後の練習試合が氷帝らしい。
さっきまでリラックスして試合をしてたと思うんだけど今はみんなピリピリしてる。
今は合間の時間。ミーティング用にと用意された部屋で氷帝戦のオーダーを考えている。
昼食の時に景吾君がわざわざ幸村君に氷帝のオーダーを持ってきたのだ。


「俺絶対に出ますからね!幸村部長!」
「蓮二どう思うこのオーダー」
「わざわざ昼食の時に渡してきたから裏があるかと思ったが、案外普通のオーダーだったな」
「裏とはなんだ蓮二」
「丸井とダブルスでやらせろとか言うかと思ったんだけどね」
「げ」
「大丈夫だよ丸井。跡部はどうやら俺と試合をしたいみたいだからね」


皆が話し合ってるのを私は大人しく聞くことしか出来ない。
氷帝の人達がどれくらい強いのかもよく分かってないのだ。
幸村君の手には氷帝側ののオーダーが書かれた紙が握られている。


シングルス1跡部
シングルス2樺地
シングルス3日吉
ダブルス1忍足、向日
ダブルス2芥川、宍戸


景吾君はシングルスなのか。
それならブン太とやることはなさそうだ。ちょっとホッとした。
二人が試合するのはなんとなく見たくない。
ブン太に勝って欲しいけどみんなの反応からして景吾君の方がテニスは強いみたいだから。


「ダブルスが珍しいのう」
「ジロ君がダブルスねぇ」
「シングルスのイメージが強いよな」
「宍戸とのダブルスは過去にもあったはずだ」
「まぁここは丸井とジャッカルでいいだろう」
「ジロ君俺と試合したいって言ってたもんなぁ」
「芥川はブン太大好きだもんな」
「まぁな」
「それでしたらダブルス1は私と仁王君でいいでしょうか?」
「忍足と向日だからね。それでいいよ」
「幸村部長!俺は!俺も絶対に出たいっす!」
「赤也は今回は我慢して貰えないか?」
「やだっす!俺も氷帝戦出たいっす!」
「うーん、どうする蓮二」
「樺地とは弦一郎しか居ないと思うが」
「無論だ。樺地とは俺がやろう」
「柳先輩!日吉と俺試合したいっす!」
「日吉ならば赤也でも勝てるだろう」
「蓮二いいのか?」
「赤也、勝てるんだろ?」
「当たり前っすよ!」
「ならばお前に任せよう」
「じゃあ柳は椎名さんのこと任せるからね」
『え?』


立海側のオーダーが決まってくのをメモに取ってたら急に私の名前が出てきたからびっくりして声を上げてしまった。
顔を上げたら皆が私のことを見ている。


「相手は氷帝だからね」
「何があるか分からないからな」
「俺も赤也より柳が凛の側に着いててくれた方が安心して試合に集中出来る気する」
「丸井先輩酷いっすよ!」
「赤也、試合に集中しろよ」
「椎名、ということだ。試合中は俺の隣でスコア付けをする様に」
『分かりました』
「柳生、あれするぜよ」
「あれですか仁王君」
「あれすんの久々じゃね?」
「高校に入ってからしとらんぜよ」
「幸村君に禁止されてましたからね」
「まだ許可は出してないんだけどね。まぁ今日はいいよ。存分にやっておいで」
『あれって?』
「見てからのお楽しみじゃ」
「凛、試合見てたら分かるからそれまで待ってろ」
「あれ見たら絶対に驚くっすよ!」
『うん、分かった』


私は試合中は柳君から離れない方が良いみたいだ。
皆に心配させたらいけないもんね。
でも仁王君と柳生君のあれって何だろ?
凄い気になる。


「では俺がうちのオーダーを跡部に渡してこよう」
「頼むよ蓮二」
「俺が適役だからな」
「蓮二俺が」
「弦一郎は駄目だよ」
「む」
「どちらかと言うと弦一郎も赤也寄りだからね」
「挑発に乗られては困るからな。では行ってくる」
「真田副部長も俺と同じじゃないっすかー!」
「おい赤也止めろ!」
「お前ほど単細胞ではないわ!」
「いってぇ!酷いっすよ!」
「赤也って何で学ばないんだろな」
「ジャッカル本当のこと言ってやるなって」
「じゃ俺達も行くかの柳生」
「そうですね。仁王君、眼鏡はちゃんと持ってきたんですか?」
「俺を誰だと思っとるんじゃ」
「失礼、愚問でしたね。」


柳君に続いて仁王君と柳生君も出て行った。
赤也君はまた余計なことを言って真田君に怒られている。
懲りないなぁほんとに。


「皆、朝も言ったけど氷帝戦は全勝するよ」
「幸村部長当たり前っすよ!」
「無論だ」
「あぁ、負けるつもりはねぇよ」
「去年はやられっぱなしだったからな。もう負けねぇよ」


ブン太も落ち着いてるみたいで良かった。
今日一日、試合の調子も良かったたし。
さぁ、今日最後の氷帝戦だ。
幸村君の「そろそろ行こうか」の合図で皆が立ち上がった。


氷帝との試合予定のBコートまで向かう。
スポーツドリンクも先に合宿所で作ってきた。クーラーボックスは柳君が持ってくれている。
私が持ってるのはタオルだけなので申し訳ない気がする。
皆が歩いてる最後尾を柳君と歩く。
ブン太はジャッカル君と何やら二人で話してるみたいだ。


「椎名」
『何?柳君』
「丸井は大丈夫だと思うか?」
『大丈夫だと思うよ。朝よりは落ち着いてるし。私ちゃんとブン太から離れないよ』
「お前のことは心配していない」
『ん?』
「丸井は去年のこともあって少し過敏になりすぎてる節があるからな」
『どうしたら安心して貰えるんだろね』
「椎名のことを疑ってるわけではないんだがな」
『分かってるよ。でももう余計なことは考えないって言ってたし私も気を付けるし』
「俺達以外には隙を見せるなよ」
『うん、分かった』


柳君の話を聞いてるとなんだか私が思ってるより事態は深刻そうだ。
でも俺達以外には隙を見せるなってことはちゃんと立海の皆のことはブン太は信用してるってことなんだよねきっと。
なんかそれは聞けて嬉しかった。


『皆、勝てるかな?』
「愚問だなそれは」
『ごめん』
「全国大会の決勝みたいなものだ」
『そんなに?』
「あぁ、俺も興味深い」
『それなら大丈夫だね』
「そうだな」


Bコートへと到着するともう氷帝の人達は揃ってるみたいだった。
立海側のベンチであれこれ準備することにする。
幸村君が景吾君とコートで何やら話している。


「凛」
『んー?』
「試合までお前の隣で見てるわ俺」
『分かったよー』


ダブルス1から試合が始まる。
仁王君と柳生君がコートへと向かって行った。
相手の氷帝の選手は朝に食堂で会った二人だ。


『あ』
「「どうした凛(椎名)」」


見覚えがあったからつい言葉に出てしまってたみたいだ。
両側から即座に返事がきた。


『氷帝側の二人は朝に景吾君と食堂行った時に会ったなぁと思っただけだよ。ごめん』
「謝らなくても大丈夫だぜ。気にしてねぇから」
「同じテーブルだったのか?」
『うん。二人で景吾君を窘めてたなぁと思って』


つい謝ってしまった。
でもブン太は優しく頭をポンと触って至って普通に答えてくれた。
大丈夫そうかな?そんなに心配しすぎてもきっと気にするだろうしなぁ。
私もあまり気にしないでおこう。


「意外だったのか?」
『少しだけ』
「強引な馬鹿は跡部ぐらいだぞ。後は俺達と対してかわんねぇよ。ジロ君もそうだったろい?」
『確かに』


目の前のコートではダブルス1の試合が始まっている。
んーなんだろ?なーんか違和感がある気がする。
気のせいかな?


「久々な割には上出来だろあいつら」
「向こうにはまだ気付かれてなさそうだな」
『いつもと何か違う?』
「ほう、どうしてそう思った?」
『なんとなく違和感ある。何がとか分かんないけど』
「お、初めてでそこまで分かればお前も上出来だな」
「ふむ、大したものだ」
『いや!違和感あるかな?ってぐらいだよ。だからいつもと何がどう違うのか分からないし』


二人に褒められたけど答えは教えてもらいない。きっと自分で探せってことなんだろうな。
スコアを付けながら試合の行方を見守る。
うーん、この違和感は何だろう?


『仁王君いつもより大人しめ?』
「何でそう思ったんだ?」
『えぇ、なんとなくだよ』
「椎名は他校との練習試合は今回が初めてだからな」
『うん』
「仁王が一番部活と試合で変わるぜ」
「部活中はイリュージョン禁止されてるからな」
『イリュージョン?』
「そろそろ分かるぞ」
「そうだな、忍足達も気付いた様だ」


気付いたって何を?
イリュージョンって何だろと思って見てたら物凄いびっくりした。
仁王君が柳生君のレーザービームを打ったのだ。


『え?え!?』
「驚いたろ?」
「もう分かるだろう」
『どういうこと?』


コートでは柳生君だと思ってた人が眼鏡を外してグシャグシャと整えられていた髪の毛を無造作に崩してる所だ。
それとは逆に仁王君だと思ってた人は髪の毛を整えて仁王君から眼鏡を受け取りそれをかけている。


『まさか』
「お前が思ってんので多分合ってるぜ」
「向日と似た様な表情をしてるな椎名は」
『入れ替わってたの?』
「そうなるな」
「椎名、スコア付けの所に入れ替わり終わりと書いておいてくれ」
『う、はい』


二人が試合前に入れ替わってたなんて全然気づかなかった。
かなりびっくりしたよ。
違和感の正体はこれだったのか。


「凛、今からもっと驚くぞ」
『まだあるの?』
「仁王はコート上の詐欺師と呼ばれている」
『ペテン師?』
「ほら、変わるぞ」
「ほう、今日は誰にするんだろな?」
「手塚じゃね?」
「丸井、どうやら精市みたいだぞ」
「お、初めて見るわ俺」
「俺もだ」


変わるぞって何が?って聞く前に分かった。
さっきまでそこには仁王君が居たはずなのに今はどう見ても幸村君にしか見えない。


「な?仁王は部活と全然ちげぇだろ」
『うん』


仁王君はそのままころころと変わっていき氷帝の二人を翻弄してた。
そのままダブルス1の試合が終わる。
何か見てて色々びっくりする試合だった。


「っし!ジャッカル行くぞ!」
「ブン太調子良さそうだな」
「ジロ君との試合だからな。負けらんねぇ!」
『ブン太、ジャッカル君頑張ってね』
「「おお!」」


再び私の頭をポンと触ってブン太はジャッカル君とコートへ向かって行った。
大丈夫かな?勝てます様に。


「椎名、俺がスコアを付けよう」
『え、でも』
「丸井の試合ちゃんと見てやっててくれ」
『分かった』


柳君へとノートを手渡す。
確かにブン太の試合を見ながらスコアを付けるのは難しそうだ。
きっと試合に集中してどこか抜けちゃいそうだし。


「おまん緊張しすぎじゃ」
『え?』
「顔が強張ってますよ椎名さん」
『ほんとですか?』
「大丈夫じゃ、ブンちゃんは強いぜよ」
「勿論、桑原君も」
「リラックスしんしゃい」
「深呼吸するといいですよ」
『分かりました』


いつの間にか隣に座っていた仁王君に突っ込まれた。
そんなに顔、強張ってたかな?
いけないいけない。私は応援する立場なんだから。
柳生君に言われた通りゆっくり深呼吸をする。
ブン太とジャッカル君の試合が始まる所だった。


部活中の部員同士でする試合とは違った緊張感がそこにはある。
あぁでもブン太の顔は楽しそうだ。
芥川君のおかげでもあるんだろうけど。


「ブン太楽しそうじゃの」
『うん』
「あの様な表情は久々ですね」
「去年は見なかったな」
『良かった。芥川君のおかげかな?』
「それは違うぞ」
「そうじゃ。おまんは勘違いしとる」
『何で?』
「丸井君が昔みたいにテニス出来てるのは椎名さんのおかげなんですよ」
「そうだな」
『ブン太にも聞いたけど私何にもしてないです』
「何をしたからではなくお前がただ丸井の隣に居てくれるだけでいいんだ」
「何もせんでよか」
「これからも丸井君の隣に居てあげてくださいね」
『勿論です』


何やら三人から気恥ずかしくなる様なことを言われた気がする。
そんなことは全然無いと思うんだ。
でも、ブン太の隣に居てもいいって何なら居てあげてくれって言われたのは嬉しかった。
自信が無いとかじゃないと思う。
でも好きな人の周りに認められるのって何でこんなに嬉しい気持ちになれるんだろ?


『私、マネージャーなって良かったです』
「それは俺達も同じだ」
「えぇ、椎名さんがマネージャーで良かったです」
『ブン太と付き合いの長いテニス部の人達と知り合えて良かった』
「おまんももうこの輪に入っとるぞ」
「そうですよ」
『ありがとうございます』


四人でブン太達の試合を見守るも心配する様なことは全く起こらずあっさりと試合は終わった。
ベンチに帰ってくるブン太達と入れ替わりで幸村君がコートへ向かって行く。


「ジロ君との試合楽しかった!」
『お疲れブン太』
「おお!俺の天才的妙技ちゃんと見てたか?」
『うん、全部見てたよ。凄かった!』
「だろい?」


今度こそちゃんと色々吹っ切れたみたいだ。
試合前にちょっとピリピリしてた空気が無くなった。
凄い良い顔してると思う。


「椎名、精市の試合のスコア付け頼んでもいいか?」
『うん、分かった』
「柳にスコア付けやらせてたのか?」
『違うよ。ブン太の試合だけ柳君がやってくれたの』
「丸井の試合はちゃんと見たいだろうと思ってな」
「柳ってお節介だよな。良い意味でさ」
『ブン太、違うよ』
「なんだよ」
『テニス部みーんな身内に対して過保護なんだなって最近よく思う』
「過保護か」
「お節介より悪くなってねぇ?」
『身内に心配症な感じ?でも』
「でも?」
『ちゃんと私も身内に入れてくれてて嬉しいかな』
「当たり前だろ」
「椎名、そんなことを言っては精市に怒られるぞ」
『え?』
「お前がマネージャーになった時から精市はそう思ってたはずだからな」
『そっか。皆に感謝しなくちゃなぁ』
「マネージャーとして頑張ってくれているからそれで充分だ」
「凛は今のままでいいんだよ」


幸村君の試合を観戦しながら三人で話す。
もう見守るじゃなくて観戦だ。
それくらい幸村君の試合は安定感があった。
景吾君が弱いわけじゃない。
それ以上に幸村君が強いのがテニスをあまりよく分かってない私でも理解出来た。


『幸村君て凄いんだね』
「精市だからな」
「ずっと部長なのも頷けるだろい?」
『うん、怖いくらい』
「あー、俺も今の幸村とは試合したくねぇ」
「そうだな、100とは言えないかもしれないが80くらいは本気だろうな」
『えっ?まだ80なの?』
「練習試合で100出しちまったら相手の思うつぼだろ?俺達だって仁王達だって100は出せねぇよ」
『絶対に勝つって言うから』
「100出さなくても勝てるのが立海だからな」
『立海テニス部って本当に凄いんだね。いや凄いのは知ってたけど』
「うちだけじゃねぇよ。どこの学校も皆そんなもんだ」
「手の内は全部晒せないからな」


スコアを付ける手は休めずに三人で会話を続けていると試合が終わった様だ。
柳君が幸村君は「神の子」って呼ばれてるって教えてくれた。
初めて聞いたけどしっくりきちゃうから凄いよね。


そのままの勢いで真田君も赤也君も試合に勝った。
本当に全勝しちゃった。
氷帝が弱いとは思わないけどそれ以上に立海が強かったのだ。


練習試合が終わって片付けをして合宿所へと戻ろうとしていた時だった。


『景吾君?』
「跡部?何しに来たんだ?」


私達の所に景吾君がやってきたのだ。
どうやら一人みたいだった。
それに私と幸村君が気付く。
ブン太は赤也君とトイレに言ってるはずだ。
景吾君は私と幸村君の目の前にいる。
どうしようと考えていたらぐいと手を引かれた。
見上げると真田君だ。
柳君と二人で私を隠すように前に出てくれたみたいだった。


「そんなにピリピリすんなよ。俺達に全勝したんだろお前ら」
「何しに来たと精市が聞いたのが聞こえなかったのか?」
「弦一郎、お前は少し黙ってて」
「む」
「跡部、用件を聞こう」
「丸井と話をしに来ただけだ」
「丸井は今は居ないよ」


景吾君はブン太と何を話すことがあるんだろうか?
気になったけど聞きたかったけど仁王君に口を開くことを止められた。
どうやら口を挟んだら駄目らしい。


「で、丸井に何の用があるの?」
「それを幸村に言う必要があると?」
「うちの大事な部員だからね。俺にも理由くらい聞く権利はあると思うよ」
「そいつの代わりを用意するって提案だったんだがな」


景吾君今何て言った?
それって私の代わりをブン太に用意するってこと?
思わず口を開きそうになった所を仁王君に後ろから手の平で押さえられた。
耳元で「反応したら相手の思うつぼじゃ」と小さく呟くからそれに頷いて抵抗する力を緩めたら離してくれた。
私だってブン太だって人間なのに。代わりを用意するとか酷い。


「先輩達何やってんすかー?早く戻ってメシ行きましょうよー!」
「まだ戻る準備出来てねぇの?」


ブン太と赤也君が戻って来ちゃったし。
二人は私達のいる側から戻ってきたから景吾君がまだ目に入ってないみたいだ。
私は怒りで頭が沸騰しそうだった。
ジャッカル君が二人に小声で説明してる姿が見える。


「跡部さんまたっすか?いい加減にしてくださいよ」
「跡部、凛はお前にはやらねぇからな」
「さっきの言葉ちゃんと丸井に伝えておけよ」


それだけ言って跡部君は去っていった。
見てはないけど気配でなんとなく分かった。


「幸村、さっきの言葉ってなんだよ」
「丸井は知らなくてもいいよ」
「弦一郎もよく我慢したな」
「赤也達の声が後少し遅かったら跡部を殴っていただろう」
「あいつ何を言ったんだよ」
「椎名?大丈夫か?おまんもよく我慢したぜよ」
『大丈夫じゃない。全然大丈夫じゃない』
「おい、椎名大丈夫か?」
「椎名さん?大丈夫ですか?」
「凛先輩っ!?」
「凛っ!」


私の意識はそこでぷっつり途絶えた。
ブン太の声が最後に聞こえた気がする。
景吾君何て昔の呼び方で呼んだことを後悔した。あんなやつあんなやつ大嫌いだ。

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