幼なじみの延長線上には恋が転がっている(3)

好きって言ってくれたなら、私もだよって教えてあげるのに



「凛ー!英語の課題やった!?」
『英二!?部屋に入る時はノックくらいしてよ!』
「あ、ごめんごめん!つい昔の癖で。んで何してたの凛」
『昔のアルバム見てた』
「わ!懐かしいね!」


今何時だと思ってるのさ。
もう22時なんですけど。
お母さんもお母さんだよ。こんな時間に娘の部屋に異性を案内するなんてさ。
英二だから許されてるんだろうけど。
お風呂上がりにのんびりと昔のアルバムを眺めてる時に英二に突撃されたのだった。
ラグに寝転んでる私の隣に英二も同じように寝転んでアルバムを覗きこむ。
近過ぎるよ英二。肩から腕がくっついちゃってるし。
触れた場所からじんわり熱が全身に広がってるみたいだった。


「凛ー?どした?」
『な、何でもないよ』
「ほんとにー?あ!これ初めてのお使いの時じゃない?」
『あーそうだね。うちの両親と英二のとこの両親と』
「兄ちゃん姉ちゃん全員で俺達の後着いて来てたんだよねー」


こんなことを今更意識してるのはきっと私だけなんだろう。英二は普段通りにしてるし。
こないだもキスして来なかったし英二は実際私のことどう思ってるんだろ?


「凛?やっぱし何かあった?」
『あ、ごめん。ぼーっとしてた』
「最近変だぞ凛ー」
『いいの。大丈夫だし』
「何かあったのなら一番に俺に話してよ?」
『えぇ』
「約束だからな!俺は凛の、…幼馴染みなんだから!」
『うん』


何今のその間。
絶対に違うこと言う気だったでしょ。
直前に言い淀むとか狡いよ英二。
パッと話をアルバムのことに戻しちゃったしさ。
たった一言好きって言ってくれたら私もちゃんと好きだって教えてあげるのにな。


『こうやって見てるとずっと一緒だねぇ』
「そうだねぇ。もうさ、一緒にいるのが当たり前になってるよね俺達って」
『だねぇ。と言うか何しにきたの英二。もううち来て一時間たつけど』
「あっ!そうだった!英語の課題だって凛!」
『もう終わったよ?』
「俺まだ半分出来てないんだよ凛ー」
『もう23時なんだけど!』
「急いで分かんないとこ教えて凛!」
『仕方無いなぁ。30分で終わらせちゃおうね?』
「うんうん!あんがと!」


それからテキパキと英二の課題を30分で終わらせた。
まさに睡魔との戦いだ。終わった頃にはもう眠くて眠くて仕方無かった。


「終わった」
『眠い』
「凛いつも23時には寝ちゃうもんね」
『もー寝る』
「んじゃまた明日ね凛」
『おやすみ英二』


見送りたいけどもう限界でふらふらしながらべっどへと潜り込む。
英二の立ち上がる気配がするからきっと帰るんだろう。
おやすみ英二、また明日ね。
そろそろちゃんと英二の気持ち聞かせてね。


(どうして言ってくれないの)

もどかしい二人。
書いてて楽しい(笑)
2018/07/27

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