氷帝ディヴェルティメント(Epilogue)

最近みんなの様子がなんかヘンだ。
ヘンなことばっかり聞いてくるし。
もうすぐ引退だからかな?って思ってたら鳳もそんな感じだったからなぁ。
みんなどうしちゃったんだろ?


『と言うことで樺ちゃんはどう思う?』
「?」
『みんななんかおかしくない?』
「いえ、特に」
『うっそだぁ!ヘンだったって絶対!』
「最近はそんなことないはずです」
『えー?』


樺ちゃんに言われて考えてみた。
確かに先週みんなで軽食バイキング行った時を最後にヘンな感じはなくなったかもしれない。
じゃあ私の思い過ごしだったのかな?


『勘違い?』
「そうなりますね」
『なーんだ。ならいっか!』
「はい、気にしなくて大丈夫ですよ」
『じゃあ跡部先輩とお茶してくる!』
「うす」


一番冷静そうな樺ちゃんに相談したけどどうやら私の勘違いだったらしい。
なら気にすることもないかと休憩時間にあふたぬーんてぃ?を楽しんでいる跡部先輩に突撃する。
美味しそうなもの食べてるんだもん!


『先輩ー!私もお邪魔してもいいですか?』
「凛、席に座ってから言う言葉かそれは」
『えへへ』
「まぁいい。おい樺地!凛の分も用意してやれ」
「うす」


樺ちゃんってある忍者みたいだよね?
さっきまで私と話してたのにもう跡部先輩の後ろにいるし。
樺ちゃんが居たら困ることなさそうだよなぁ。
さくさくと私の分のあふたぬーんてぃを樺ちゃんっが用意してくれている。
滝先輩はこないだのバイキングでこれを堪能したらしい。
さっきお誘いしたら断られてしまった。
こんな美味しそうなものがあったなんて聞いてない。
いや他にも美味しいものだらけだったけども!


「どうぞ」
『ありがとう樺ちゃん!』
「今日のはこないだのより美味いぞ」
『本当ですか!』
「あぁ、本当だ」
『じゃいただきます!』


この二段重ねのやつが可愛いんだよね!
上がサンドイッチで下がスイーツなの。
見てるだけで幸せな気持ちになれちゃう気がする!
でもアイスクリームが溶けたら困るのでさっさと戴いてしまおう。


『これって樺ちゃんも作れるの?』
「樺地に出来ないことはねえぞ」
『おお!やっぱり凄いね樺ちゃん!』
「跡部さんのおかげです」
「お前の努力の賜物だぞ樺地。謙遜するな」
「ありがとう、ございます」


跡部先輩の言葉に樺ちゃんは嬉しそうだ。
跡部先輩に褒めてもらえるのって何でか凄い嬉しいんだよねぇ。
でも樺ちゃんに出来ないことが無いってほんとに凄いな。


『一家に1台樺ちゃんだね』
「あーん?お前は何を急に言ってるんだ」
『樺ちゃん居てくれたら楽チンだなぁって』
「お前に樺地はやらねえぞ」
「!?」
『知ってますよーだ。だから先輩の力で樺ちゃんみたいなロボット作ってくださいよ』
「例え作れたとしても作らねえよ」
『ええー独り占めですかー?』
「樺地みたいな万能型ロボット作っちまったら人間怠ける一方だろ」
『確かに』
「だから駄目だ」
『先輩は怠けないですもんね』
「俺の辞書にその言葉は無いからな」
『だから樺ちゃんも跡部先輩といるんだね』
「うす」


そうか、樺ちゃんロボットは作れても作ってくれないのか。
でもなぁ、万能な樺ちゃんはやっぱりいいよなぁ。


『じゃあ大きくなって樺ちゃんにお嫁さん出来なかったら私が樺ちゃんと結婚するね』
「は?」
「凛お前今何て言った?」
『樺ちゃんロボットが無理なら樺ちゃんのお嫁さんになればいいかなぁって』
「お前は馬鹿か」
『何でですか!』
「俺とあちこち飛び回る予定だから樺地と結婚したって楽は出来ないぞ」
『私も跡部先輩の秘書やるもん』
「マネージャーすらちゃんと出来ないお前には無理だな。それに樺地は秘書じゃねえ。執事だ」


私の最初の一言に一瞬だけ驚いたけど結局最終的に鼻で笑われてしまった。
絶対に本気にしてない!
こうなったら樺ちゃんについて回って修行してやるもん!
その「ひつじ」ってやつになってやるもん!


あのジロー先輩の好きなふわもこの羊と何が違うのか分かんないけど私だって本気出したら出来るってことを照明するんだから!


あふたぬーんてぃをご馳走さましてこのことを張り切って忍足先輩達に報告したら滝先輩と二人で頑張れって言ってくれたし。
岳人先輩はぽかんとしてたし宍戸先輩はよく分かんない顔をしてた。
日吉は呆れてたし鳳は困った顔をしてた。
ジロー先輩はいつもの様にお昼寝してたけど。
絶対に頑張るんだから!


目指せ跡部先輩の「ひつじ」だ!


2018/03/24

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