05

「なんだこれ?おれ何でこんなとこにいるんだ?」


目が覚めたら洞窟の中だ。
重たい身体を起こして周りを確認する。
どう考えてもおれのうちじゃないし家の近所でも無さそうだ。
ってことはあの夢と関係してるのか?
脳裏にはまだあの女の子の姿が残っている。


「火竜のダンナ!新米ハンターが森丘にやってきたっすよ!また脅かしてやりましょうよ!」
「わ!何か変なのが喋った!」
「何言ってるんすか!俺はドスランポスですよ!寝惚けてるんですか?」


ぼーっとしてたら洞窟に小さな青い恐竜みたいなのがやってきた。
驚いたけどおれより小さいからまぁ大丈夫だろう。
もっとびっくりしたのは言葉が通じることだ。


「何でおれの言葉が分かるの?」
「モンスター同士の言葉が通じるのは当たり前じゃないっすか!」
「モンスター?」
「火竜のダンナ今日はなんかいつもと違うっすね」
「火竜!?」


かりゅうってなんだっけ?
聞いたことがある響きを記憶の中で探す。
答えは研磨との会話の中に転がっていた。
確かモンハンのゲームだったかな?
そんなようなやつをやってた時に研磨が言ってた気がする。
恐る恐る自分の姿を確認してみると確かにおれは人間の姿じゃなくて赤い鱗に覆われた何かになってるみたいだった。


「おれ!人間じゃなくなってる!?」
「何言ってんすか。ダンナは昔から火竜リオレウスだったでしょ。ハンターになる夢でも見たんすか?笑えないっすよ」
「や!おれ本当に人間だったんだって!」
「はいはい。分かりました、行きたくないんすね。んじゃ俺が新米ハンターからかってきますから。ダンナはゆっくりしてください。つーかそろそろ奥さん探すべきですよ。じゃ」


ドスランポスの名乗った彼は矢継ぎ早に捲し立てると足早に洞窟を出ていった。
そう言えばドスランポスって名前も聞いたことあるような?
ていうか本当にここどこなんだろ?
何でおれはここにいるんだろう?
姿の無い声が言ってたことをぼんやりと思い出す。
「カノジョをタスケテ」「カノジョをサガシテ」あの声は確かにそう言ってた気がする。
彼女を探さなきゃいけないのか。
…この姿で!?人間と話せるのかな?
おれはちょっと不安になった。


「ダンナ!俺が新米ハンターと遊んでやってきたっすよ!」
「あぁ、そう」
「どうしたんすか?今日いつもと全然違うっすね」
「ちょっとね。あ、なあ!人間の話してる言葉って分かるの?」
「ハンターの言葉っすか?試したことないけど何言ってんのか理解出来たことはないっすねぇ」
「だよね」
「どうしたんすか!ほんと元気無いっすよ?風邪でもひいたんすか?」
「ちょっと悩み事があるんだよ」
「ヒュー!ついにダンナも奥さん迎えるんすか?」
「そういうことじゃなくて」
「じゃあ代わりに俺がダンナのメシ狩ってくるっすね!」


ドスランポス君はどうやら人の話を最後まで聞けないらしい。
またもやさっさと洞窟を出ていってしまった。
おれ別に腹が減ったなんて言ってないのに。
夢だったら良いのにな。
でも勘が告げている。これは夢なんかじゃないって。
人間と話せないのならいったいどうやって彼女を探したらいいんだろうか?
さっぱり謎だった。
とりあえずドスランポス君に色々聞いてみよう。
話が通じるかはさっぱりわかんないけど。
それからあれこれ探索しなくちゃな。


最初はやっぱり日向だよね。
口調だけで書きわけなきゃいけないことに今更気付いたよ。
まぁとりあえず頑張ってみる!それぞれ10人ずつくらい出す予定です!
2018/04/20

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