04

「起きろニンゲン」
「後30分もしたらご主人が来る」
『んー』
「早く起きろ」
「俺達が怒られる」


頭に生温かい息がかかって不快だ。
手でそれを振り払うようにしながら目が覚めた。
頭上には二匹のアプトノス。
あぁまた夢から覚めれなかったのか。


『おはよう』
「のんびりするな」
「さっさと出ていけ」
『分かったってば。昨日はありがとね』
「変なニンゲン気を付けろよ」
「こちらこそありがとうだ」
「またな」
『うん、またね』


アプトノスに『またね』って言う日がくるとは思わなかったなぁ。
と言うか私お肉食べれるかな?
この世界の肉って大体アプトノスだよね?
外をそっと伺うとまだ仄かに薄暗い。
これならきっとここの住人にもバレないだろう。
さっさとここから離れることにする。


さて、どこに向かえばいいんだろうか?
やっぱりここはギルドに行くのがベストなのかな?
とりあえずこの村を一周してみよう。


……どうしよう思っていた以上にこの村は小さい。狭い。ハンターのギルドなんてあるのだろうか?
て言うかこれ私どうしたらいいの?
お金すら持ってないしお腹も空いてきたよ。
途方にくれて広場にあったベンチに座った。
ひもじい。泣きそうだ。


「お姉ちゃんはハンターなの?」
『え?そう見える?』
「全然。武器も持ってなさそうだし」
『だよね』
「見ない顔だから旅人さん?」
『まぁそうなるのかな。この村に何か仕事はあるかな?』
「ハンターになればいいんじゃないの?」
『それはそうなんだけど』
「おじいちゃんに相談したら?」
『え?』
「おじいちゃんは村長なんだよ!」


絶望的なこの状況に打ち拉がれていたら少女に声をかけられた。
これぞまさしく救いの手だ!
少女の提案に乗って村長さんの所へ向かうことにする。


「一応ハンター志望なんだって」
「お主がのう」
『えへへ』
「空き家があるしいいんじゃない?」
「最近は物騒じゃしのう。背に腹は変えられんか」
『物騒?』
「ここ最近モンスターが騒がしいんじゃ」
「いつも以上にピリピリしてるんだよね」
「それを調査してもらえんかのう」


おお!何だかモンハンっぽい!
調査するだけならいいよね?
問題無いよね?
それでちゃんとお金貰えるんだよね?


『私で良ければ!』
「お姉ちゃん本当に大丈夫?」
『頑張るって!』
「儂はココット村の村長じゃ。宜しく頼むの」
『椎名凛です!』
「お姉ちゃん変な名前だね」
『いいの!』


よし、住む家をGETだ!
なかなかテンポが良いな。
やっぱり夢だからかな?
その時限界だったのだろうお腹がグウッと鳴った。


「なんじゃ腹が減ってるのか」
『えへ』
「今から朝御飯にするからお姉ちゃんも一緒に食べてけば?」
「そうじゃの。ココ、準備をしてくれるか?」
「はーい」
『じゃあお言葉に甘えさせてもらいます!』


どうやらここには村長と孫の少女しか住んでいないらしい。
詳しいことは聞かない方がいいよね?
悲しい出来事のような気がするし。
ココット村ってことは多分初代のモンハンの村だ。


三人で食事をしてから空き家へと案内してもらった。
空き家の割にはなかなか綺麗にしてある。
アイテムボックスにも初期装備が揃っていた。
ふかふかのベッドもあるしこれなら生活に困ることも無さそうだ。
家の目の前にアプトノス達の小屋があった。
その横の家が唯一の道具屋さんらしい。
さて、とりあえず採取にでも向かおうか。


「早速調査に向かうのか?」
『お金稼がなきゃだから』
「お姉ちゃんは貧乏なんだね」
『そうだね』
「ならばとりあえずは森丘に行くといいだろう」
『分かりました』


森丘はココット村の直ぐ近くにあるらしい。
準備を整えて向かうことにした。
と言うか私って大事なことを忘れてる気がする。
なんだっけ?ハンターになれって言われたんだっけな?ん?
考えて見たけれどアイルーがいたことしか思い出せない。
まぁいいか。ハチミツを大量に採取してこよう。


やっぱり最初はココット村だよね。
キャラまだ出て来ない。
次に出す予定です!
2018/04/19

prev  top  next
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -