01

「タスケテ」
『んー助けてって何?物騒だよ』
「アナタしかイナイの」
『私には無理だよ』
「オネガイ。ワタシをタスケテ」
『無理だってば!』


ハッと目が覚めた。
あぁまたあの夢か。
真っ暗闇の中声しか聞こえない。
助けてって何をそんなに助けてほしいのだろうか?
最近はこの夢しか見ていない気がする。


『助けて欲しいのなら名乗れってんだ』


時間を確認したらまだ午前2時だ。
うん、名乗る前にまず時間を考えろってんだ。
明日も朝練で早いんだぞこのやろう。
あ、明日じゃなくてもう今日だね。
さっさと寝よ寝よ。


再び横になって目を閉じた瞬間だった。
目を閉じたはずなのにそこは眩いくらいに光が満ち溢れている。
え?何これ?私さっきちゃんと目を閉じたよね?
もしかしてもう夢の中?


「コンバンニャ」
『誰?』
「下ニャ。下を見るニャ」


眩しいくらいの光が落ち着くとそこには何もなかった。
本当に何もない。一面真っ白な世界だ。
キョロキョロと辺りを見回していると声が聞こえた。
言われた通りに下を向くと…アイルー?


『何でアイルーがいるの?』
「良かったニャ。ボクを知ってるのニャ」
『モンハンでしょ?』
「そうニャ」
『まさか夢でアイルーに出会えるとはなぁ。思ってた以上にもふもふだね』
「ニャッ!?持ち上げないで欲しいのニャ!」
『えぇ!?駄目なの?』
「後から沢山触らせてあげるからまずは話を聞いて欲しいニャ」
『夢だから別にいいけど』


アイルーが腕の中で暴れるので渋々下に下ろしてあげた。
私が見てる夢なのに思い通りにならないってどういうこと?


「ナマエを教えて欲しいニャ」
『私?私の名前は椎名凛だよ』
「凛様、モンハンは得意かニャ?」
『唯一好きなゲームかな。大好きだよ』
「それニャら良かった!世界を助けて欲しいニャ!」
『は?』
「ボクたちの世界が大変なのニャ!このままじゃモンスターもニンゲンも滅びるニャ!」
『嘘だぁ』
「ほんとニャ!凛様!夢だと思って宜しく頼むニャ!」


私の見る夢にしてはなかなか設定がリアルだなぁ。
まぁたまにはファンタジーな夢でもいいか。
しかも大好きなモンハンの夢だし。
このアイルーももふもふで可愛いし。


『分かったよ。私で良ければいいよ』
「良かったニャ!―――様と波長の合うのは凛様しか居なかったのニャ!」
『え?今なんて言ったの?』
「ボクが迎えに行くまでは大人しくしてて欲しいのニャ!」
『一緒に行かないの?』
「直ぐには無理ニャ。ヒントはモンスターのコエニャ」


『どうして?』って言おうとした時にはグラッと身体が傾いた。
急に地面がなくなったみたいに下に落ちているのだ。
気付いた時にはもうアイルーの姿も見えなくなっていた。
さっきまで明るかったのに今はもう目を開けてても真っ暗だ。
ひたすら真っ暗闇の中を落ちていく。
ほんと変な夢だよね。
暇だからもう一度寝ることにした。
夢の中で寝るってもっと変な感じ。


「ゴメンナサイ」
『え?』
「アナタに1つだけ力を与えます」
『何?』
「アナタが鍵だから」
『意味わかんない』
「セカイをタスケテ」


やけにリアルに最後の言葉が耳に響いた。
それと同時に私は意識を失った。


どうしても書きたかったモンハン混合夢!勝手に始めてみた(笑)とりあえずしばらくは公開しないで書いていく予定。話が溜まったら公開しよっと。
まだ誰を出すか全く決まってないけれど。頑張ります!
2018/04/18

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