???
「様子はどうじゃ」
「あぁアンタか。ここにはニンゲンは来れないよ」
「絶対に近付けてはならないぞ」
「分かってるよ。コイツはニンゲンが近付かない限り目覚めないんだろ」
「そうじゃ。ギリギリ意識を切り離したようだが本体がここにある限り何も出来まい」
暗闇の中4つの瞳だけがぼんやりと不気味に輝いている。
「アンタはどうなんだ?」
「上々じゃ」
「アイツらは?」
「気付いていようがいまいがヤツらは動かぬよ」
「それがヤツらのコトワリか」
「そうじゃの」
「死にたがりはどうなった?」
「お前がそれを言うのかえ」
「……」
「そう怒るでない」
片方の声の主は楽しそうに笑っている。
もう片方は反対にとても静かだ。
「それで」
「ヤツはもう少しじゃの。説得に時間がかかっておる」
「そうか」
「まぁ時間の問題じゃの」
「他に問題は?」
「特に無いかのう。他には誰にも気付かれてないからの」
「分かった」
「引き続きここは頼むぞ」
「あぁ、 分かった」
「では我は行くとしよう」
ズズズズズと大きな音が響いて1つの声の存在が消えた。
「そんな瞳で俺を見るなよ」
「仕方無いだろう俺は―――――」
「いや止めておこう。お前には届かないからな」
残った片割れが一点を見つめて淡々と呟いた。
二つの瞳が閉じられたのだろうか?
すっと消えて辺りには暗闇と静寂が広がった。
???のお話。
2018/04/28