ぐいぐいと2人に押されて上半身が船の外に出たとき、譲治がやってきた。


「何をやってるんだい?」

「じょ、譲治の兄貴!助けてくれ…」

「朱志香ちゃん、真里亞ちゃん、その辺にしてあげなよ。亜弥ちゃんだって怖がってるし」

「譲治お兄ちゃん…」


本気で落とそうとする2人に、戦人を心配して譲治は止めるように言う。

しかし、


「でもよぅ譲治兄さん。戦人の奴、亜弥に抱きついたんだぜ」

「戦人くん、一回逝きなよ?」

「うわぁぁあ!そんなぁぁぁああ!!」

「ちょっみんな!本当に戦人、落ちちゃうよー!」


再び辺りに戦人の叫び声が響き渡り、亜弥の声もまた響き渡った。




船から島が見えてきたとき、戦人は倒れ込んでいた。
息も絶え絶えで、どれだけ朱志香と真里亞が本気だったかがこれだけで簡単に手に取るように分かる。


「し、死ぬかと、思った…」

「戦人、だいじょ…」

「亜弥、こんな奴心配しなくていーよ」

「うー、自業自得!」


冷たく朱志香が言い放った。


「す、すみませんでした…」


ぐったりしたまま、戦人は半泣きでそう言った。


「私、全然気にしてないから。だからね、お姉ちゃんも真里亞も、戦人のこと許してあげて?」


悲しそうな顔でそう言う亜弥に、朱志香も真里亞も口をつぐむ。


「ま、まぁ亜弥がそう言うなら…」

「うー、仲直りするっ!」


本当に、2人は亜弥に甘いようだ。
さっきまで怒っていたにも関わらず、今はニコニコ笑っている。


「う?うー…、ない」

「どうしたの?」


眉を潜めて急に真里亞は岩場を指差す。


「うーうー!!ないない!!」

「何か失したのか…?」

「僕も探してあげるよ、何がないんだい?」


戦人と譲治は周りを見渡す。
亜弥も一緒になって周りを見渡す。
すると、何かに気がついた。


「あれ、あそこ…鳥居があったよね?」


亜弥はその場所を指差す。
戦人と譲治は思い出したように口を開いた。


「ああ、そうだ!島の最初の目印だったから、よく覚えてる」

「僕も思い出したよ。鎮守の社と鳥居。そういえばないね…去年は確かにあったと思う…」


その言葉を聞いても真里亞は、ないないと言い続ける。

亜弥は何だか不安な気持ちに陥っていた。



to be continue..


原作と台詞を大分変えました。
ヒロイン総受けです(笑)
みんなの性格が大分変わっちゃいました(苦笑)
スムーズに書けたので、早めに更新できるかも^^
頑張ります!!

20090629