01


朝、誰かが私の名前を呼ぶ声で目が覚めた。
寝ぼけた頭でその声の主を思い浮かべようとすると、しばらくしてから幼なじみだということが分かった。
閉めていたカーテンを開けて外を見ると、向かいに建つ家の二階の窓から幼なじみのタカオが「やっと起きたかー、おせぇぞアヤ」なんてぼやいていた。
そう、私の部屋の丁度向かいにタカオの部屋があるのだ。
朝から本当に元気だなあ…なんて思いながら窓を開けると、涼しい風が部屋の中に入ってきて、自然と目を細めていた。


「おはよう、タカオ。何か用?」

「今からベイブレードの特訓するから、お前も来いよ」

「えー…起きたとこだしなあ‥」


タカオの家には、レイがいるのだ。
こんなまだ半分寝ているような状態で会えるわけがない。
自称恋する乙女には、いろいろと準備に時間が掛かるのだ。

そんなあまり乗り気じゃない私に、タカオはニンマリ笑顔でこう言った。


「来たらめちゃくちゃ上手いレイの手料理が食えるぜ!」

「行く!」


即答して、急いで着替え出したのは言うまでもない。



釣られやすい私。
(だってレイの手料理食べたいもん!)


20101224




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