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--クラスメイトside--


失礼、だよね…と一人で落ち込み始めた紗弥の姿を見て、全員が顔を見合わせる。


『ねえ、紗弥?』
「…ん?」
『別にさ、悪いことじゃないと思うよ』


悪いことじゃない、それは本心から思う。


『例えばさ、友達の友達と繋がる時ってそんなものじゃない?あの子からいつも話聞く子だーって気になったり、紹介してもらって仲良くなったり』
『共通の友達ができて、もっと仲良くなる時だってあるよねー?』
「そう……なの?」


何度か大きな目を瞬かせて紗弥は首を傾げた。…ああもう、可愛いなあ。


『そうだよ。そんなことで傷ついたりしないから』
「そっかあ…、よかった」


紗弥はそう言うと安心したように微笑んだ。

…安心した紗弥には悪いけど、私達の本題はここからなんだよね。


『でもさ、紗弥?その気持ちに、違う感情が交ざる場合もあるよね?』
「違う…感情?」
『うん。…恋愛だと、色々変わってくるんじゃない?』


恋愛…、と呟いて黙り込んだ紗弥に頷いて言葉を続けた。


『好きな人のことをもっと知るためにその人の友達と仲良くなる、とか』
『共通の話題を作りたい、とか』
『そうやって異性の友達を…、言い方悪いけど利用するって、わりとみんなやってることだよ?』


好きな人のためなら。そう誰かが発したのを最後に、黙り込んで俯いたままの紗弥を見つめた。


「…私、利用、とか…」
『あああ、利用って言い方が悪かっただけで、えっとその、協力?してもらいたいとかさ!』
『なんか紗弥のさっきの気持ち聞いてると、こっちの考え方に聞こえるなあって思っただけで!』
『紗弥が悪いことしてるとかじゃないんだよ!?っていうか、好きな人と仲良くなりたいためならみんなやることだし…!』


紗弥の小さく呟いた声を拾った瞬間、一斉に焦りを込めた庇う言葉を繰り返した。そんな私達に驚いたのか、紗弥は目を見開いて顔をあげた。


「…えっと、別に傷付いたりとかしてないよ?」
『…え?』
『だって…、』
「そういう風にも感じとれるんだなあって、ちょっと驚いちゃっただけだよ」


気を遣わせちゃったみたいでごめんね、とふわりと笑って席へ戻った紗弥の後ろ姿をぼんやりと眺めた。



『…どう思う?』
『普通だったら、それが恋愛だよって言うんだけどなあ』
『あの2人の友人観が、わかんなくなってきた』


ジャッカルのこと、好きなんだって思えば楽なんじゃないのかあなあ、なんて思う私は間違ってるのかな。



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