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「#幼馴染」のBL小説を読む
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『紗弥!!さっきの何!?』


教室に入ると勢いよくこちらに向かってきた女の子達に目を見開いて首を傾げた。


「さっきの…?」
『風紀検査!と、テニス部!!』
『なんであんな仲よさ気になってんの!?』


ああ、私がI組以外の人と話しているのが珍しかったんですかね?


「昨日ね、母のお見舞いに行った時にお友達になったの」
『…なんで?』
「幸村君の病室が隣で、…えっと、いろいろあって病室にお邪魔して」


なんで私が幸村君の病室に行ったのかは私自身がいまいち理解できてないんですよね。

笑いながら答えると、みんなから溜め息をつかれた。
…え、なんでですか?


『…過ぎたことはまあいいわ。それで?』
「…それで、って…?」
『今まで関わってたクラスの男連中とは全く比べ物にならない顔のよさでしょ?』
『前言ってたみたいに、恋愛対象に見た時ときめく可能性は高い人達だよね!』
『どうだった!?キュンときたとか、ドキドキしたとか!!』


…そっか。彼らはみんな人気があったキャラクターだったんですもんね。この世界でも人気のはず。


(……でも)


「テニス部のみんなのことは、そんな風に見ない…と思う」
『『『…え?』』』
『なんで?』
『クラスの男子にはそんな断定しなかったのに…』


みんなの疑問に答えられるように頭の中で自分の気持ちを整理する。


「えっとね、クラスのみんなとお友達になった時はただただ純粋に嬉しかったの」
『うん…?』
「テニス部のみんなとお友達になった時も嬉しかったんだけど…、お友達になれた嬉しさよりもジャッカル君の見てる世界に近付ける嬉しさの方が勝ってて…」
『えっと、紗弥ごめん。よくわかんない…』


一生懸命聞いてくれるみんなに伝わるように、私も必死に言葉を考えた。


「えっと、…ジャッカル君がテニス部のみんなのことを話してくれた時すごく楽しそうでね?ジャッカル君がそんな風に笑顔になれる人達ってどんな人なのかなあって」


言いながら、あ、と呟く。


「…それって、みんなに失礼なのかな…?みんなとお友達になれて嬉しいっていう気持ちももちろんあるんだけど…」



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