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(うーわー…、とうとうこんなに間近でキャラクター見ちゃってる…)


関わらなければ変わらない、と思っていた漫画の世界のキャラクターであるジャッカル君と関わって、今こうしてたくさんのキャラクターを目の前にすると流石に圧巻ですね。

まあ正直、漫画は1回友達に借りて授業中に流し読みした程度だからそんなに覚えてないんですけども。


「紗弥、こいつら紹介するか?」
「え?うーん、っと、あててみてもいい?」


正直ちゃんと読まなくてよかったと思う。
しっかり覚えていたら、私は今以上に自分の立場に困惑して遠慮して。こうしてジャッカル君と仲良くなんてなれてない。

今この世界で起きていること全て、作られたものじゃなくて、自分が見て聞いて知っていけているのが楽しい。


「わかるのか?」
「ジャッカル君が話してくれたイメージで、当ててみたいなって思って」


そう言うと、ジャッカル君は笑って頭を撫でてくれた。


「せーんぱいっ!じゃあ俺はっ?」
「あははっ、赤也君はもうわかるよ?切原赤也君。2年生のエースですっごい頑張りやさん、だよね?」
「正解ッス!!」
「わ…っ」


満面の笑みで抱き着いてきた赤也君に驚いてよろけると、後ろで誰かが支えてくれた。


「あ、す、すみませんっ!あなたの肩に気安く触れてしまうなんて…っ」
「あ、い、いえっ!!こちらこそ…っ、……えっと、柳生君、で合っていますか?」
「は、はい」
「よかった。紳士的な方だって…本当にその通りですね」


ありがとうございます、と頭を下げると、律儀に向こうも頭を下げてくれた。…本当に丁寧ですね。


「柳生君の隣にいるのが、仁王君…ですか?」
「……プリッ」
「ちょっ、仁王君!きちんと返事したまえ!」
「…すごい、本当に綺麗な銀色ですね」


そう言うと仁王君はガシガシと頭を掻いた。折角の綺麗な髪が傷みますよ?
…あとは、あ、幸村君の近くに2人。


「えっと、柳君…ですか?」
「……はい」
「柳君は冷静に周りを見れる人だから、頼りになるって。実際会うと、本当にそんな印象です」
「…ありがとうございます」
「隣が、真田君…ですよね?」
「む?…ああ」
「真田君は厳しいけど、幸村君の分まで頑張ってるんだって聞いてます。確かに真田君だったら、幸村君も安心して任せられそうですね」
「うむ。留守を任されている身として、しっかりせねばならんからな」


少し照れ臭そうにしながらも断言した真田君に、自然と笑みが零れた。



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