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--クラスメートside--

『……え?』


白神様の発した言葉の意味を理解することができなかった。

(好きが、わからない…?)


それでも、どこか寂しそうに笑う姿を見て、守りたいと思った。
そんなおこがましいこと、今までだったら絶対思わなかったのに。

近付きたい
守りたい


(仲良く、なりたい…?)


『…ジャッカルを、そういう風には見ないんですか?』
「…友達がいなかった私に、友達になろうって言ってくれたんです。それが、とても嬉しかったから」


恥ずかしそうに笑った白神様を見て、思わず立ち上がった。
白神様が驚いている。いや、でも今はそれで怯んだりしない。今の勢いでいかないと、私には無理だ。


『白神様っ、…いや、白神さん!!』
「は、はいっ」
『わ、私も、友達にはなれませんか!!』


言った。言ってしまった。
私顔真っ赤だと思う。


『…わ、私も!!』
『私も、なりたいです!!』


続くように次々とあがる声に、白神様は目を見開いて固まった後、俯いてしまった。


『…っ、やっぱりだめですか!?』
『あ、あんたが白神さんとか馴れ馴れしい呼び方するから!!』
『私たちが友達なんて図々しいんだよ、絶対』


一通り焦った後、俯き続けている白神様に覚悟を決めて向き直った。


『…あ、あの。白神様…?』
「〜っ、ご、ごめんなさっ」


謝られた?やっぱりダメってこと?と少し落ち込みかけたところで、もう一度白神様が口を開いた。


「い、今、顔見ないでください…っ」
『『『…え?』』』
「ど、どうしよ…っ、顔熱…っ」


(…顔熱い?え、何?どういうこと?)


疑問符を浮かべながら白神様を良く見ると、流れる髪から見えた耳が真っ赤に染まっていた。


『…え?あの、友達になるのが嫌、なんじゃ…?』
「ち、違うっ!!」


問い掛けてみると、白神様は今まで伏せていた顔を勢い良くあげた。


(…ちょ、顔赤っ!!)


頬は真っ赤に染まり、潤んだ瞳は私の目を捕らえていた。
…その顔は、女の私にもやばいです。


「ちが、うんですっ、その、嬉しくてっ!!女の子と友達になれるとか思ってなくて、嬉しすぎて、顔熱くなっちゃうし…」


どんどん小声になる白神様を見て、驚きとともに感じたのは私だけじゃないと思う。


『『『…っ、か、可愛いっ』』』

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