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芝生に円に座って皆さんとお弁当を広げました。


どうやらジャッカル君の件については杞憂に終わったようです。

っていうか、やばい。泣きそう。
女友達とお弁当食べるなんて前世以来だよ!!
いや、友達なんて厚かましいこと言えないですけども!!

先程からみんな気まずそうに視線を逸らしたり、何か小声で話していたり。

……寂しくなんてないですよ。


『あ、あの。白神様…』
「っ、はい」
『お聞きしたいことがあるんですけど…』
「な、なんでしょう」


びっくりしましたよ。突然話しかけてもらえるなんて。


『ジャ、ジャッカルと仲がよろしいですよね!?』
「え?…良くはしてもらっています。仲がいいとかはわからないけど…。あの、やっぱり」
『ち、違うんです!!近付くのが嫌とかではなくて!!』


…なんなんだろう。
彼女達の言葉を促すように首を傾げた。


『〜〜っ、れ、恋愛感情でジャッカルを見てたりはしないんですか!?』


(……え?)


れ、恋愛感情?え、いきなりそんな話ですか。普通にびっくりしてるんですけども。

言えた!!と何がかはわからないけどはしゃいでる彼女たちを呆然と見つめた。


「…ジャッカル君は、お友達ですよ?」


苦笑しながら答えると、彼女たちはぴたりと固まった。
…なんなんだ。


『な、なんでですか!?』
「え、なんでと言われても…。昨日お友達になっていただいたばかりなので、そんな風に考えたこともないですし」
『じゃあ、これから好きになる可能性もあるってことですよね!?』
「さ、さあ。どうでしょうか」


ええー、なんなんですか。近寄り難いとか思われてたんじゃないんですか私。
恋ばなだから?だから皆さん積極的なの?


『白神様はもうジャッカルのこと好きになりかけてると思うんです!!』
「え?」
『ジャッカルと話してる時、恋する女の子って感じで一生懸命で』
「いや、それは緊張して…」
『ジャッカルと一緒にいるとすごく幸せそうだし!!』
「…まあ、すごく嬉しいですけど…」
『頭撫でられた時、ドキドキしてたでしょう!?』


その言葉にドキッとした。確かに、すごく恥ずかしくなったし、ときめいたけど…。


「好き…、とか、わかんないんです」


だって、昨日14年振りに友達ができた。
まだ人との関わり方なんて思い出せてない。

恋をすることなんて考えられなかった。

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