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チャイムが鳴り、先生の緩い挨拶で4限の授業が終わった。
(昼休み、になっちゃった)
どうするんだろう。
昨日はジャッカル君と一緒に食べたけど、今日もっていうのはないのかな…。
友達いるはずだし、昨日は記念みたいな感じだったはずだし。私がいつまでも縛るわけにはいかない。
今日は、いつもみたいに一人で食べよう、うん。
そんなことを考えながら、お弁当が入った鞄に手をかけた。
「紗弥」
「え?」
「昼行こ『ジャッカルー!!』…なんだ、鈴木?」
ジャッカル君の言葉は途中で鈴木君の声に遮られました。
『今日一緒飯食わねえ?ついでに英語教えてくれ!俺次当たるんだよなー』
「え?あー…」
ジャッカル君が困った表情でちらりとこちらを向いた。
ん?これは私が困らせてませんかね?
「…ジャッカル君、私一人で食べるよ?」
「…いや、そういうわけにはいかねえだろ。悪い鈴木。俺ちょっと…」
『〜〜っ、あ、あのっ!!白神様っ!!』
「「え?」」
私が断ったのに、ジャッカル君が鈴木君に断ろうとしていたのが感じられた。
気にしなくていいのに。
って、今はそこじゃない。
『あ、あ、あのっ!!もし迷惑じゃなければ、なんですけどっ!!』
「は、はい」
『わ、わ、私たちと、お昼一緒していただけませんかっ!?』
「…え?」
な、なんて!?お昼一緒!?なんで突然!?か、顔真っ赤ですけど大丈夫ですか!?
え、私なんかしたの?
近寄りにくいとか思われてたんじゃないんですか?
いや、そう思われてるのは間違いないはず。
それなのにこんなに緊張してまで呼び出さなきゃいけないことって…
(…ジャッカル君?)
うわ、絶対そうだ。キャラクターだもん。人気ある人だもん。私がどんな奴でも、やっぱりテニス部には近付いて欲しくないですよね!?
『そ、それなら丁度いいじゃん!!ジャッカル、今日はこっちで食えよ、な?』
「え?あ、ああ」
『あ、あのっ、どうですか!?』
「え、と。じゃ、あ、お願いします…?ジャッカル君、また後でね」
「あ、…おう」
ジャッカル君と別れ、I組女子の皆さんとなぜか私がいつも昼食をとるベンチの方へ。
…っていうか、年が近い女の子と喋るのいつぶりですか。うわ、緊張する。
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