10



--クラスメートside--

4限の授業中、I組のジャッカルと白神様を除いた全員に一通のメールが回った。


【ジャッカルと白神様の間に恋愛感情があるのか調べない?もしあるのなら、くっつける協力をうちらがしない?】


今まで近寄り難い存在だった白神様が、あんなに優しく柔らかな空気を放ち笑っている。

その表情を引き出せたのは間違いなくジャッカルで。

その2人を見ているだけで、白神様はもしかしたら親しみやすいのかもしれないと思ってしまうほどだった。


あんなに綺麗な人が、あんなに優しく笑うのなら。

あんなに尊い人が、幸せを感じられるなら。

その様子がもっと見たい。
その表情がもっと見たい。

2人を観察して、私たちは随分図々しくなってしまったかもしれない。

そして、ジャッカルが白神様の表情を引き出す鍵を握っているのは間違いない。

白神様と仲良くなってみたいとか、付き合いたいなんて恐れ多いことを思う人はいない。

あの人の美しい姿を見れるだけで幸せなのだから。
そのための協力なら、私たちはいくらでも動く。


【その話乗った】
【私も。どうやって調べる?】
【俺も乗った!ジャッカルへは直接俺らが探るよ】
【…白神様は…?】
【一人で話しかける勇気とかないからね!?】
【…女子全員で行けば、どうにかなるでしょ…、きっと!!】
【よっしゃ、決定。男はジャッカル、女は白神様な!!】
【男子は私らより楽なんだから、絶対失敗しないでよ!!】
【お前らこそ、白神様に失礼なことすんなよ!!】
【ちょ、怖くなること言わないで!!】
【決行は…?】
【早速行こうぜ。この授業が終わった昼休み】

【【【了解】】】

prev next